燐と堺人が少し回復すると、ペアごとにわかれて行動することになった。
アーミャとカインはすぐさま繁華街の大通りに戻った。
紅葉と柳は学院よりの飲食店へ行った。
残された燐と堺人はとりあえずその場で休むことにした。
「やっぱり、無理だったか」
「でも以外だね。堺人が人酔いなんて」
堺人は昔から勉強や魔法の特訓であまり人と接していなかったためか、人が間近で多くいるとふらつくらしい。
燐もあまり外に出ないので堺人と同じくふらつく。
「ふぅー…さて、これからどうする?」
「んー私は特に行く所ないんだけど。」
燐と堺人は考えた。
「そうだな…じゃあそこらへんブラブラするか」
「そうだね、何もすることないし。」
2人はまた繁華街の大通りに戻る。やはり人は多い。
観光客もいるが才華龍学院の制服を着ている生徒も多い。特に貴族は白色なので分かりやすい。
燐と堺人はいろいろなお店を回っていたときだ、燐の近くを通ろうとしていた真っ黒のローブを着てフードをかぶった人物が燐だけに聞こえるように
「久しぶりね…殺(あやめ)。近頃会うだろうね。」
と、いった。声からして女性だ。
燐は目を大きくして後ろを振り替える。
そこにはもうローブを着た女性はいなかった。
「どうしたんだ?」
堺人は聞くが
「なんでもない。」
燐は答えない。
だが、堺人は何かあったと思った。
なぜなら、燐はいつも無表情だ。
しかし今の燐の表情は分かりづらいが恐怖の表情が見てとれるのだ。
(うそ…なんで…あの人が)
堺人と歩きながら考えた。
なぜここにいるのか、なぜ今頃会いにきたのか、
なぜ『近頃会うだろうね』と言ったか、近頃とはいつ頃なのだろうか、様々は恐怖がよみがえる。
「燐大丈夫か?」
「うんちょっと考えごと。そんなに顔に出てた?」
「アーミャほど読み取れないけど、僕でも読めるほどにはかな」
そういって、堺人は燐に小包を渡した。
燐が考えごとをしていたうちに買ったらしい。
「なにこれ?」
「学院であけるといいよ。そろそろ時間だし集合場所に行こう。」
「うん。」
集合場所に向かって歩きだした。
(後からアーミャに伝えないと。あの人は恐い。)
さっきのローブを着た人物を思いだし身震いした。