才華龍学院 Ⅰ


「カインおしかったな。あと1点。」

表を見ながら堺人は言う。あと1点はどこに行ったのかと。

「アーミャはあと7点だね。どうしたのかな?」
「うぅ~」

こちらは、燐は燐、堺人、カインとアーミャの点がひらいていることをからかっている。

「さすがですね。燐さん達は」
「あぁ、燐でいいよ。」
「では、そうさせていただきます。」

そこに紅葉と柳が来た。紅葉は敬語でしゃべるらしい。

「さすが№2貴族にクーイ国の王子です。」

堺人とカインの話に柳もまざる。貴族と王族とあって、敬語であった。

「あっ別に敬語じゃなくていいよ。柳」
「…じゃあそうさせていただくよ。」

カインの言葉に了解する。

しかし、そんな悠長なことを言っているのは燐、堺人、アーミャ、カイン、紅葉、柳だけで、他の生徒は『嘘だろ』といった表情をしている。

「全部あの孤児が1位かよ…」
「しかも、総合の5位の彩歌と莉愛ってやつもB組の孤児だぞ」
「何かの間違えじゃないのか…」

と、いった状態だ。5位以下は孤児のしかもBクラスの子よりも、よくなかったのだ。

「こういったことはよくあることだ。今の結果が嫌ならば次回がんばるんだな。そろそろ下校しろー」

冷たくも思える教師の声に生徒達は次々と帰っていく。