才華龍学院 Ⅰ


「そうなんだ。ところで、2人は早起きだね。」

太陽はまだ出ていないため、4時くらいだろうか。

「まあね。いつもこの時間に散歩や修行をしているんだ。

今日はただ単に楓と話がしたかっただけなんだけどね。」

薬はニコリと笑う。わかりにくいが少し頬が赤くなっている。
楓なんかは真っ赤だ。

それを察した堺人は そっか と言いながら微笑む。

「それじゃあ僕たちは邪魔をしちゃったね。」
「とんでもないです!堺人の恋を“確認”できたので!」

一部気になる言葉があったがそれはおいとき、堺人は よかった と苦笑い。

「ですが、ここで寝ていると風邪を引きますよ?」

楓は寝ている燐に自分が着ていた上着をかける。

そして、すかさず薬は楓に自分の上着を着させる。

「そうだな。部屋に戻ってもう少し寝るよ。ありがとう」

堺人は燐を抱えて楓に言った。
いいえ と楓は微笑み薬と共に森に姿を消した。

「さてと、燐…おーい………やっぱりだめか」

堺人は燐を揺するが規則正しい寝息でピクリとも動かない。

「仕方ないか」

堺人は燐を起こさないように背負い、家に入った。

~・~・~・~

「…………え?」

燐はいつもの時間に目が覚め、第一声がこれだった。

燐は自分のベッドで寝ていた。
どうやって戻ったのか分からないまま頭を動かし横を見た。

すると、毛布に顔をうめて寝ていた堺人が目に入った。

(……おーふさふさ)

堺人が寝ている間に髪の毛を触ってみる。
男の子の髪は触ったことがなかったため夢中になって触っていた。

「……流石にそろそろ終わりにしよ?」

何分かたって堺人が困った顔で燐を見る。

「あっ……ごめん」

起きていたことに気づいて恥ずかくなり頬を赤する燐。

「「…………」」

そして、しばらく何も言えなく沈黙が続いた。

「そっそういえば、気持ち悪くない?
契約武器の具現化は人によって気持ち悪くなったりするから。」

燐が心配そうに聞いてくる。
それに堺人は微笑んだ。

「うん、大丈夫だよ。いつも通り
ありがとう、心配してくれて」

堺人は燐の頭をポンポンと手をおく。
 
~・~・~・~

「フフフフ」

その一連を隣の部屋にいたアーミャは透かし魔法で覗いていた。

「……どうした?いきなり不気味な笑みをして。」

足の間に座っているアーミャを後ろからカインは顔をのぞきこんでくる。

「んー?これだよー」

アーミャはカインの額に手を当てて先ほど見ていた映像を送る。

「あーなるほど。」

カインはアーミャと同じく不気味な笑みをこぼす。

いや、不気味というよりイタズラをしようとしている子供の笑みににているだろうか。

「最近、2人の距離が一気に縮んだよねぇ~」
「確かにな。特に燐は引いていた線が無くなったというか。」

燐はアーミャ以外とはどこか線を引いていたような感じだったが、ダーインスレイヴの暴走後からはその線は消えた。

というよりは自分からその線を越えた感じだろうか。

親しみやすくなってきた。

「そうだね。」

本当に良かった とアーミャは微笑む。
幼なじみとして、戦友として、または仲間として燐の心の変化を喜ぶ。

「さて、今日も修行だな。」

カインはアーミャの肩に顔をうめて充電。

「そうだね。がんばってねー!」

アーミャは クスッ と笑い、カインの頭を撫でた。