「燐はなんのために行動してるんだ?」
燐を見るのをやめ、いつの間にか夜空を見上げていた堺人はポツリとそんなことを言った。
「…………」
だが、返事が帰って来ることはなかった。
不思議に思って横を見ると燐はこちらを向いて寝ていた。
「燐…こんなところで寝ると風邪引くよ?」
季節は冬にかかったが、この異次元空間では夏のように暑い。
だが、やはり夜は少し冷え込む。
「……ん」
燐はうっすら目を開けるがまた目を閉じてしまった。
「……!」
それと同時に燐は近くにあった堺人の手を握る。
それも、結構力がある。
まるで、居なくならないで とか ここにいて と言っているようだ。
「……クス」
そんな燐を見て堺人は静かに笑った。
(ああ、もう。可愛いな)
堺人は燐の頭をくしゃりと撫で続けた。
~・~・~・~
「あのーーー」
心地よい眠りから棒読みの声が聞こえ、目を開ける。
目の焦点が合わず、ボーとしていると少しずつ焦点が合い始めた。
「えーと…楓…さん?」
回転しない頭で、目の前にいる楓と薬を見た。
「はい。そうです」
「ところで、2人してなんでここに?
しかも“手を繋いで”寝ているなんて」
楓が頷くと隣にいた薬がクスクス笑いながら言った。
「えっ……うわっ!」
何を言っているのかよくわからず、下を見ると起きそうもない燐が寝ていたことに驚く。
「あっそうか昨日、眠れなくて夜空を見てたんだ。」
ようやく回り始めた頭で昨日のとこを思い出す。
「…そうだったんですか…………ところで堺人さん」
「あっ、堺人でいいよ」
楓がどうしようかと悩んでいるようだが、心を決めたようにまた声をかける。
「あっはい。では堺人、燐のことが好きですか?」
いきなりの質問に堺人の思考が停止する。
「楓…急だね。堺人が固まってるよ?」
薬がお腹を押さえて笑う。
楓は顔を赤くしながら、どうなんですか? と聞いてくる。
「……んー…うん。好きだよ燐のこと。」
堺人は今、自覚したような感じで頷いて燐の頭をくしゃりと撫でる。
楓は おお! と顔を赤くしている。
堺人は顔を赤くした楓を見て、しだいに顔が熱く感じる。
「そうですか!そうですか!」
楓はパアァと笑顔で興奮ぎみ。
そんな、楓を見るのは初めてで驚く堺人。
「こらこら、堺人が驚いてるよ。」
薬は落ち着かせるように楓の頭を撫でる。
そして、堺人の隣に座る。
「楓さんがこんなに元気なのは初めて見た。」
「楓でいいです。突然すみません。
緊張と紅葉に顔を見られたくない思いで暗くなってましたが、堺人は大丈夫です。」
ははは…と苦笑いの楓。
「なんで、僕は大丈夫なの?」
堺人は?を浮かべる。
それに、楓は 簡単じゃないですか! と笑う。
「あや…燐がいるからです。仲の良い堺人は特に」
楓はまたニコニコと笑顔だ。
どうやら、燐は楓たちの信頼を厚く買われているようだ。



