才華龍学院 Ⅰ


「我に使えし契約武器達よ

     誓いをもって顕現せよ」

すると、堺人、アーミャ、カイン、紅葉、柳の目の前でそれぞれ、水色、青色、赤色、緑色、茶色の魔法陣が現れた。

「氷を操る女王よ、凍てつく矢をはなて
     氷王弓 (ひょうおうきゅう)」

朧月が詠唱すると水色の魔法陣から弓の武器の形をした氷王弓が現れた。

「えっなんで!契約者でない朧月さんが!」

堺人たちは驚き何がおこっているのか分からず困惑する。

だが、朧月は詠唱を続ける。

「顕現せよ、大蛇の姿をせし、清き水の霊よ
      蛟 (みずち)


顕現せよ、数多の輝きをもつ、清き火の神よ
     スヴァローグ


可憐に舞う風よ、我が身に舞い戻れ
      舞風 (まいかぜ)


母なる大地よ、我に大地の力を与えたまえ
    大地斬光 (だいちざんこう)


……これより、完全なる契約召喚を……」

朧月がいうと朧気に見えていた武器は完全に姿を現す。

「さぁ、腕輪を返すときが来ましたよ」

朧月がそう言って詠唱を終える。

「あっあの、これは一体……」

堺人は朧月に問う。
ですよね と朧月は苦笑まじりに答えようとしたが、それをアーミャがわって入る。

「朧月さんは氷王弓、蛟、スヴァローグ、舞風、大地斬光の前契約者。

つまり、私達の前に契約していた人だよ。」

それに堺人たちは驚いた。

「えっ、そうだったんですか!?」

堺人たちはすごいと眼を輝かせていた。
朧月は苦笑する。

「さて、私はこの子たちに返さないといけないのですが、具現化した姿で返さなくてなりません。

あなたたちで具現化してみてください。

大丈夫。召喚は私がしたので、具現化にする感覚をあなたたちに直接感じてもらいます。

それでは、いきますよ。」

堺人たちは、頷き目を閉じる。
すると、堺人たちの脳にそれぞれ契約している武器の人間の姿が見える。

それを、魔力で作るように思い描く。

すると魔法陣の上にあった武器が具現化されていく。

「……できた…のかな?」
『ええ。さすが堺人です。見事ですわ。』

具現化した氷王弓は 流石我が主 と堺人に声をかけた。

「これが氷王弓の具現化した姿……」

水色の長い髪を後ろでまとめ、胸元には横髪が垂れ下がっている。

瞳の色は髪より濃いめの水色。

大きな襟のある水色の着物に黒色の袴姿で、雪の結晶の刺繍がされた白色の胸当てをしている女性。

『はい、堺人。これが私の具現化した姿。
やっと、貴方とお話ができますね。』

氷王弓はニコッと微笑む。

最初に具現化したのは堺人で、次に具現化に成功したのはカインであった。

「へー!かっけーな!」
『そう言ってくれると嬉しいな』

こちらは意気投合しているようだ。

どこか陽と同じようなツンツンとした赤色の短髪に、燃えそうな赤色の瞳。

赤色を貴重とした貴族のシンプルな服で両太ももには拳銃をしまうホルスターがつけられており、

上に同じ赤色のマントをつけている。

どこかキラキラ感を漂わせている男性だ。

「どんなやつかと思ったけど予想以上だわ!」

カインはクスクスと笑う。
それにつられてスヴァローグも そうだろう? と笑顔だ。

「これが、大地斬光…やはり予想以上だな。」
『カインと同じこといってるな』

柳と大地斬光は静かな会話をしている。

茶色の長い髪をまとめて肩に流している。
髪よりも濃い茶色の瞳で、少し鋭い眼をしている。

服装は焦げ茶色のシンプルな着物に茶色の袴で、袴の間から見える角帯は鱗柄をしていた。


「ふぅ、やっとできました。」
『お疲れ様。紅葉ちゃん』

疲れたような表情をする紅葉の頭を撫でる舞風。
どこか、姉妹のような雰囲気がある。

髪の色が黒色であれば、まるで大和撫子のような容姿の舞風。

スラッとした緑色の長い髪は切り揃えられており、両方の横髪には黄緑の髪どめが2つついている。

瞳の色は髪より薄い緑色。

黄緑色の着物を着ており、帯より下は中心から開くような感じになっている。

着物には花が散らばって描かれている。

その上には黄色の羽織をきている。

「お~さすが、こんな短時間でできるとは~」

アーミャは驚きの声をあげる。
グリムズにいる魔力量2000以上の者は具現化は当たり前のようにする。

だが、アーミャは具現化するのに時間がかかったのだ。

「ほら、あとは蝶だけですよ。」
「はーい」

朧月に指摘されアーミャ眼を瞑る。

「みーちゃーん」

アーミャを蛟に呼び掛ける。
本当は眼を瞑らなくてもいいのだが…

『はいはーい』

アーミャと似た軽い返事が返ってきた。

青色の髪で後ろで三編みを2つつくり、天莉亜と同じ長さまであり、瞳は髪よりも薄い青色。

その三編みの先端には黄色のリングが一緒に結ばれている。

横髪の先は蛇の口のように2つにわかれており、耳は猫の耳がピンと張ったように少し細長い。

服装は青色を貴重としたチャイナ服である。胸元が大きく開かれており、左は長袖、右は袖無しとなっている。

袖の無い右腕には蛇を描いた刺青のようなものがある。

そして、チャイナ服には波の模様が描かれている。

『うちが最後みたいだね。』 

蛟は周囲を見て呟いた。

「全員そろったようですね。
久しぶりです、氷王弓、スヴァローグ、蛟、舞風、大地斬光。」

朧月は懐かしそうに5人を見た。
5人も頷き懐かしそうに朧月を見ていた。