そこで、天莉亜は堺人の瞳の色に気付いた。
「堺人くん、あなたもしかしてカーシャ国の人間?」
天莉亜は嬉しそうな顔をする。
堺人は驚いたが首を横にふる。
「いえ、光国の人間です。ですが、母はカーシャ国出身です。」
そこで、天莉亜は納得した。
「そう!カーシャ国の血縁者だったのね。
私はカーシャ国生まれなの。
その瞳……森林のような色はカーシャ国の人間しか持っていない瞳なの。」
ニコニコと微笑む天莉亜。
国や地域によって瞳や髪の色が決まっており、大昔は地域内や国内の結婚が多かったが今では他国との結婚もあり、瞳や髪の色がバラバラな国もある。
カーシャ国は毒を作れる特殊能力があるためか、その特殊能力をもちカーシャ国の血縁者は大抵森林のような色の瞳になる。
「だから、分かりやすいのよねぇ~」
ニコニコする天莉亜は天使のような笑顔だ。
扇と獄が朧月の家に来る前からの知り合いらしく、当時は恋人同士であった。
朧月と天莉亜からしてみれば10歳程しか変わらない扇と獄を自分の子供のように思っている。
もうすぐ大人になる扇と獄からしてみれば複雑な環境だ。
だが、そんな朧月と天莉亜の間には小さな命が宿っている。
それを知っている扇と獄はできるだけこの家には帰らないようにしていた。
だが、そうもいかなくなり今にいたる。
もちろん朧月と天莉亜は大歓迎で今こうして迎え入れてくれている。
「あま姉、あまり無理しないでよ?
私達は隣の家で寝泊まりするから。」
扇は天莉亜に無理をさせまいと、椅子に座らせる。
「ありがと、扇ちゃん。でも心配ご無用よ?」
天莉亜は満面の笑みで答える。
それには、さすがの扇も苦笑した。
「じゃあ、荷物をおいてさっそく訓練だよー!
朧月も助けてくれるみたいだから!」
扇は フフフ と不気味な笑みをこぼす。
この先地獄が待っていそうな……そんな笑みだ。
「「はっはい!」」
燐たちは気圧されながらもなんとか声にした。



