才華龍学院 Ⅰ


リオウは3人姉妹であり1つ下にリアナとリオナという双子の妹がいる。

諸国で行われる魔法と武道の大会は、
1位はリオウ 
2位はエイミ
3位はリオナ
4位はリアナ

学術の大会では、
1位はエイミ
2位はリオウ
3位はリアナ
4位はリオナ

と、リオウ、エイミの次いでの天才である。

リオウほど魔力や魔法が強いわけではなく、鬼才までとは行かないが天才と言われている。

「妹たちが天才止まりで良かったって今では思うんだ。」

リオウはリアナとリオナの顔を浮かべながらエイミに言った。 

「でも……ここを出た後、どうするんだ?」

エイミは心配そうに問う。

「行く手はあるよ。グリムズに行こうと思うの。」

エイミは驚く。
リオウからグリムズという言葉が出てくるとは思わなかったからだ。

「なぜ!あんな犯罪者の集まりに行くの?
どうしたのリオウ。」

エイミはどこか頭でも打ったのかと心配する。
だが、リオウは首を横に降る。

「グリムズは犯罪者なんて言われてるけどそうじゃない。

確かに、人は殺してる。
けどそれは非道な行いをしている人だけ。

アルベラーン島の住民を救ったのはヒトヤだけど、1人だけじゃない。

その時力を貸したのはグリムズの人だったんだ。」

ああ、言ってしまった。 と思いつつリオウは後悔はしていなかった。

だから、そのグリムズに行ってみたいと思うのだ。

「……なるほど…分かった。

アルテーナ諸国第1王女、
エイミ・フラット・アルテーナのもとに、
リオウ・アーリア、貴女のグリムズへ行くことを許可します。

でも、私が生きている限り死なないでよ?」

エイミは クスッ と笑いながら、許可の印としてアルテーナ諸国の国章を描いた羊皮紙をリオウに渡す。

「ありがとうございます。

これより、私、リオウ・アーリアは名を捨て諸国を脱退します。

そう簡単には死なないよ。」

リオウは膝をつき、両手でエイミから羊皮紙を受けとる。

エイミに言われた物は、この羊皮紙と羽ペンであった。

どうやら、エイミは何か予想でもしていたのだろう。

さすが、先読みの王女 と言われるだけある。 とリオウは苦笑した。

「でも、どうする?
アルテーナ諸国では、正式に脱退したとしても名を捨てないといけない。」

エイミはまた、椅子に座る。

アルテーナ諸国では、裏切り者は国で授かった名を使うことを良く思わない。

そう言った宗教的なものがあり、代々受け継がれてきた文化でもある。

「うん。リオウ・アーリアの名は捨てる。

本音を言うと捨てたくないよ?でも父上も母上もこんな裏切り者は怪物としか見なくなるだろうからね。

だから、これからは扇って名乗る。」

「オウギ?」
「違う 扇。 光国や影国の使う文字なの。」

エイミは ああ! と納得する。
国の頂点に立つ者として、エイミは英才教育を受けている。

光国、クーイ国、その他の国の言葉はしゃべれる。

「扇……言いね…でも、どうして扇?」
「それは……そのグリムズの人に言われたんだ。
将来、その名の通りの物が契約に来るだろうって。」

それは、リオウが大きくなり成長しなければ分からない ということだ。

「そう……じゃあ、その未来が来たら連絡してよ?」
「そりゃ、もちろん!」

リオウとエイミはクスクスと笑顔をこぼす。
これが、リオウとしての最後となった。

この先、エイミと会うことはないだろう。

2人は城に戻った。もちろん、誰にも気づかれないようにこっそりと。

「それじゃあ、元気でね!」
「ええ。リオウ……扇の耳にも届くほど有名な女王になってみせるから!」

リオウとエイミは最後に握手した。
リオウは転移魔法陣の上に立ち、景色が七色に変わるまでお互い笑顔であった。