才華龍学院 Ⅰ


「あっ!オウリお帰りー」

帰ってきたオウリの足についている筒を開ける。

返事はOK。21時~22時の間ならいいらしい。

リオウはその時間と時計を見返す。

「えーと……今が20時50分……あと10分とか王女意地悪だ~!」

リオウは急いで支度をする。
雷神はリオウがワンピース(今夏です)を着ている間に紙に書かれていた物を鞄に入れる。

『21時になったぞ。』
「はーい!っと、行きますか!」
               . .
リオウは楽しそうに転移魔法陣を自分で描き準備完了。

雷神は頷いて契約武器の空間へと戻る。

「転移……」

リオウは魔法陣の中央に立つ。
自分で描いた魔法陣のため、あの意識がもっていかれそうな感覚はもちろんない。

景色が七色に変わり、あっという間に城に着いた。

「おっ、きたきた」

ニヤニヤする王女。

「あと、10分しかなかったんだから!」

リオウは ムゥ とふてくされる。

まぁまぁ と王女はクスクスと笑いながらリオウに座るように言った。

リオウは、王女と向かい会うように座る。

アルテーナ諸国は代々、女性が国の王になることが決まっている。

リオウの目の前にいるのは、第1王女

名は、エイミ・フラット・アルテーナ

16歳の少女で、魔法もこの国でリオウに劣らないほどだ。

「そう言うな。私も色々と忙しいのだ。
22時から魔法の勉強があるし。」

エイミはクスクスと笑う。
10歳も違う2人だが、リオウが3歳ぐらいからの知り合いで姉妹のようによく遊んでいる。

「それで、話とはなんだ?」

エイミは足を組みリオウの話をきく。

「……ヒトヤ・アルデールって知ってる?」
「ああ、鬼の子と呼ばれている犯罪者だったか」

エイミはうろ覚えであったが、知っているようだ。

「そのヒトヤって子は、無実だよ。

町が消滅したって言ってたけど、それは違う。
町の皆を守るために町ごと異次元空間に飛んだんだ。」

リオウの言葉に ほう と興味をもつエイミ。

「なるほど、だが誰から守ったのだ?」
「……この国の……工作員です。」

その時、エイミは目を見開いた。

「なぜ…工作員のことを……」
「……ヒトヤから聞きました。」

エイミは なるほど と苦笑する。
リオウは苦笑するエイミに意味が分からず首をかしげる。

「やっと繋がったよ。リオウ、転移するぞ。」

エイミは椅子から立って、魔法陣を描く。
リオウは頷いて魔法陣の中央に行く。

「転移……洞窟へ」

景色が七色に変わる。

(今日は転移ばっかりだなぁ)

リオウはため息をつく。
だが、異次元空間へ転移するよりはまだましだ。

あの意識をもっていかれそうな感覚は苦手なのだ。

そして、転移した場所はある森の奥深く。
リオウとエイミが秘密の話をするときによく使う秘密基地だ。