「……町を異次元空間へ飛ばすには僕の力では足りなかったのです。
そこに、ヒトヤが力を貸してくれました。
ですが……」
朧月は言いにくそうしていた。
代わりにヒトヤが話した。
「異次元空間に飛ばすには、内側と外側に分担しないといけなかったんだ。
俺は1番魔力が必要の外側を担った。
外側は一緒に異次元空間に飛べないんだ。
俺はそれでも別によかった。
でも、工作員のやつらは、俺を捕まえて犯人扱い。
首都がある島で、町を消した者と見せ物にされて、
最後にはアーリアの異次元監獄。」
ヒトヤはため息をつく。
リオウからすれば、腹がたつことだ。
「そんなことが……」
リオウは シュン と気持ちが下を向く。
「けど、朧月が管理人として現れたんだ。
人間は嫌いだよ……でも朧月は信頼できるのかな……て」
ヒトヤは顔を赤くする。
「そう思えたのは……その……」
そして、ヒトヤは何かをリオウに言おうとしているが恥ずかしいのだろう、なかなかその先が言えない。
「そう思えたのはリオウさんのおかげなんだ……と言いたいのですよ。」
朧月はクスクス笑いながら、言った。
「だー!朧月!」
ヒトヤは耳まで真っ赤にして朧月の口を押さえる。
「えっ……そうなの?うれしい!」
リオウはキョトンとしていたが、歯を見せて笑った。
(やはり、笑顔が似合うな。)
雷神は3人に気づかれぬよう、木に寄りかかって見ていた。
その後、リオウは家に帰った。
『何をしているんだ。』
リオウは家に帰ってすぐ自室にこもっていた。
「………………」
リオウは椅子に座って ボー と外を眺めていた。
「……ねぇ、雷神…ヒトヤはどうなるのかな」
突然口を開いたらリオウは雷神に視線を向ける。
『処刑されるときに偽るだろう。
実際は死んでいないが、死んだことにすればいい。』
「だよねー……」
リオウはため息をつきながら、また外を眺める。
するとリオウは よし と何かを決めた。
『……何をするつもりだ?』
「王女にこの事を言ってみる。」
リオウの言葉に雷神は ポカーン とフリーズしてしまう。
『……は?』
「だから、王女に会いに行くの!
このヒトヤの事実を言うの。」
リオウは さっきも言った! と手を腰にあてる。
『なぜ、そんことを……王女だって次期女王だ。
女王になったらもみ消すに決まっているだろう。
工作員なんて、国の闇だぞ?
どこの国だって闇は存在する。』
雷神は必死にリオウを止めるがリオウは それでも と拒否した。
「それでも、行くの。その闇の事実を。
理不尽なことをされた者たちをこのまま見捨てるわけには行かない。
この先、こんなことが無いように……」
雷神はこの子は6歳ぐらいの少女なのだろうかと思う時があった。
考えていることが16歳辺りの年の子とかわらない。
だが、子供は誰もが分かる 間違っていること を正そうとしていることは雷神には分かる。
リオウは籠の中にいる鳥(白い鷹)を外にだし、足に手紙を入れた筒をつける。
「オウリ、頼んだよ。」
リオウの反対の名前をつけられた鳥は迷うことなく、窓の外に飛んだ。
オウリはただの鷹でなく、魔力をもつ鳥である。
魔力をもつ獣を魔獣と呼び、それぞれの種類によって魔法が使える。
オウリのような白い鷹の場合、魔力で体を強化し、長時間速く飛ぶことができる。
そのため、城がある島から離れたこの島からでも数時間で飛ぶことができる。
「よし、後は返事を待つだけかな。」
リオウはその待つ間に湯につかり、返事がOKだったときのために準備をする。



