「俺は、この国から見放された島出身…は知ってるよな?」
リオウは頷く。
リオウとヒトヤがいるのは監獄の外。
朧月以外は誰も知らない秘密基地。
「俺は、町を消滅させてない。
異空間に飛ばしただけだ。」
「えっ……それってどういうこと?」
リオウは頭をかしげて考える。
町まるごと異次元空間に飛ばした理由が全く思い付かない。
ましてや、異次元空間に飛ばすことができるのか。
「この国には、工作員がたくさんいる。
この事は、王族と各島の領主しか知らないこと。
その、工作員が俺達が住んでいた島に来たんだ。
何だろうって遠くから見ていたけど、あいつら最初は島の支援のために来たって言うんだ。
俺の父と母は島の代表として、あいつらと関わってた。」
ヒトヤは眼を細める。
ヒトヤにとってはとてもつらい事なのだろう。
リオウは黙ってヒトヤの話を真剣にきく。
「だけど、違った。
支援物資が月に1回来ていて、信頼を気づいた時だった。
急に俺の父と母は血を撒き散らして死んだ。
当然、みんな驚いて山に逃げた。
俺はそれを目の前で見てた。
そこで、工作員ってことが分かったんだ。
俺は殺されそうになった時、朧月が助けてくれたんだ。」
「朧月さんが?」
リオウは意外な登場人物が出てきたことに驚く。
朧月は、監獄の管理人であるためそこにいることに違和感がある。
「……うん…………それで、俺は生き残った町の人と合流できたんだ。
そしたら、朧月がここにいては死んでしまう
あいつらは国の工作員で、俺たちを殺して島を自由に使おうとしている。
て、教えてくれた。
元々、俺らは邪魔な存在だったらしくてな。」
ヒトヤは苦笑する。
実際、忘却の島と呼ばれたのはアルベラン島の領主とその島民が国に反対したからだ。
軍事力(特に魔法)をあげることに反対したアルベラン島は国から見放され、
他の島はアルベラン島行きの船を止めた。
「自分の住んでいた島から逃げなければならなくなったけど、当然、皆反発。
そこで、朧月が提案したんだ。」
「グリムズに来ませんか? とね」
タイミングよく、朧月が来た。
ヒトヤとリオウは ビクッ と後ろを振り返った。
「びっくりした~。普通に来てよー」
リオウは ふぅ と呼吸を整える。
ヒトヤも頷き、朧月をにらむ。
「すみません。
話しの続きですが、私は、島民にそういいました。」
朧月は、何も無かったようにリオウとヒトヤの目の前に座る。
「答えはNO。
グリムズは犯罪者の頂点に立つ者とされてるから皆は人質や奴隷にされるのかと怖かったから。
でも、グリムズの本当の姿を朧月は話した。
朧月の説得で、島民は納得してグリムズに行くことにしたけど、」
「国の工作員はすでに島を方位していたのです。
こうなると、島民は島から出られません。」
そこで、リオウは あっ! とピンと来た。
町の消滅と繋がったのだ。
「だから、その町ごと異次元空間に!……あれ?でもなんで、グリムズ行くのに異次元空間に行く必要があるの?」
リオウが疑問に思って人差し指を頭に当てる。
ヒトヤと朧月は顔を見合わせる。
理由を言えば、グリムズがどこにあるのか分かってしまう。
「……まあ、そこを通った方が早いからですかね。」
朧月は、何とか嘘をいう。半分合っていて半分違うが……



