才華龍学院 Ⅰ


「あっ……えーと…」

監獄に来てそうそう見つかるとは思わなかったリオウは慌てる。

「大丈夫ですよ、アーリア氏には言いませんから。」

朧月は ニコッ と微笑む。
リオウはその言葉に ホッ とする。

「でも、なぜ分かったんですか?」

リオウは最初に言った言葉が気になった。
“やはり、来ましたね” と。

「勘ですかね。リオウさん、僕の殺気に気づいてましよね?」

リオウは、あのときのことを思いだし正直に頷いた。

「それと、Xの残り1人のヒトヤが気になっているのではないかと……

クスッ どうやら、当たりだったようですね。」

リオウの驚いた表情を見て朧月は苦笑した。

「どうして……」
「あの時ヒトヤを見ていたので、それに雷神もいるようですし」

リオウはさらに驚いたそして、警戒もした。
なぜなら、今雷神はここにいないがリオウ自身が契約をしているからだ。

朧月の いるようですし と言う言葉は、

リオウが雷神と契約を交わし、リオウの魔力の中にいる と言うことになるからだ。

『よく、分かったな。』

雷神も驚いていたらしく、リオウの前に現れた。

「具現化ですか……流石リオウさん、鬼才と呼ばれるだけありますね」

どうやら、朧月は具現化した雷神が見えるらしい。

つまり、相当の魔力を持っている。
ただ者ではないようだ。

「私は昔、蛟、スヴァローグ、舞風、氷王弓、大地斬光と契約していました。」

どれも、各属性の最高位だ。

神級契約武器の各属性の最高位は、

火属性……スヴァローグ
水属性……蛟
風属性……舞風
雷属性……雷神
土属性……大地斬光
氷属性……氷王弓

であり、このどれかを持っていること自体凄いのだ。

「すっすごい」

リオウはポカーンと意識がどこかにいっていた。

「今は、それぞれの契約者を見つけたようですがね。

もしかしたら、リオウが大きくなったら出会えるかもしれないですよ。」

朧月は微笑んでいるもののどこか遠い眼をしていた。

「おっと、ここにいてもあれですね。
ひとまず事務室に行きましょう、
そこならアーリア氏も来ませんからね。」

朧月はニコッと笑い案内してくれた。

~・~・~・~

「どうして、父上に言わないんですか?」

リオウは当然のことを聞いた。
誰だってそう思うからだ。

「そうですね。言った方がいいですか?」

朧月の言葉にリオウは首を横に強くふった。
すると、朧月は そう言うことです とだけいってこの話しは終わった。

「それより、行きたいのでしょう?
ヒトヤのところに」

朧月はリオウの前に紅茶を出しながら言った。
リオウは そうだった! と思いだし頷いた。

「ヒトヤに会いたいのならいつでも来てください。
ただし、ヒトヤは人間を警戒しています。」
「えっ、でも人間でしょ?ヒトヤも」

リオウは混乱する。
人間であって、人間を警戒する。

「敵であれば、警戒するでしょう?
それと同じです。ヒトヤは人間を敵と思っている。

なので、最初は気をつけてください。」

朧月の注意を聞いてリオウは はい! と答えた。

そして、ヒトヤがいる牢屋に向かった。
その後ろ姿を見る朧月は懐かしむような眼差しだった。