「ね~雷神~、あの子どう思う?」
リオウは雷神の額に手をあて、回想伝達であのときの少年をピンポイントで伝える。
リオウがいるのはいつもの森の湖がある場所。
リオウは湖の上にある橋に座っていた。
『……こいつは…』
雷神は、回想伝達で届いた少年を見て、驚いていた。
「えっ、知ってるの?」
リオウは興味津々に雷神の腕をふる。
雷神は、はいはい とリオウをなだめて話す。
『こいつの名前は ヒトヤ・アルデール
アルテーナ諸国、アルベラン島出身だ。』
リオウはアルベラン島と言う名の島を聞いた瞬間、心が苦しくなる。
アルベラン島は領主のいない島で、1番貧しい島だ。
島民は自給自足で、何があっても国は支援しない。
忘却の島と言われている。
「それで、なんで雷神は知ってるの?」
リオウはキョトンとした顔で雷神に聞く。
『それは…お前の1つ前の契約者だからだよ。
リオウに呼ばれる2年前にヒトヤと会ったんだ。
リオウと同じように契約目的でなくな。』
雷神は懐かしむように言った。
そこでリオウは思う。
雷神と契約のために呼んだのではないと言うことは、雷神は具現化で会っているのだ。
“お前と同じぐらいの力” 父がそう言った意味がはっきりと分かった。
「明日、行こうかな…」
ヒトヤと言う人物に興味をもっていた。
雷神はため息をつきながら
『リオウが興味をもつと止まらないからな……俺も行こう』
諦めぎみに言った。
「分かってるじゃん」
リオウは ニヤー っと笑った。
「それじゃあ……明日は午前は父上と出掛けるから…午後からにしよう!」
リオウはニコニコと予定を組んでいく。
雷神はため息をつきながらも楽しそうなリオウをジッと見ていた。
(だが、なぜヒトヤが監獄に…まさか…な)
雷神はヒトヤと別れたあの時のことを思いだし少し苦い顔になる。
~・~・~・~
「誰もいないね…」
リオウは異次元空間の入口がある建物にいた。
受付のある場所には誰もいなかった。
元々、誰にも気づかれぬようこっそり行くつもりだったため、このほうが都合がいい。
(いくよ、雷神)
(ああ。)
リオウは転移魔法陣の中心に立つ。
「やっぱり、きついなぁー」
転移するさいの感覚になかなか慣れないリオウはまた、眼をつむった。
「やはり、来ましたね」
眼を開けると目の前には朧月がいた。



