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それから、監獄の今の状況を父と朧月は話していた。

監獄には、現在1万人の囚人がいる。
監獄の管理責任者の朧月、管理職員が5000人。

囚人の中でも、

・犯罪を何回も繰り返し手におえなくなった者
・魔法が使え、重罪人である者
・脱走を繰り返し手におえなくなった者

など、様々ある。

そして、監獄にいる者の99%が魔法が使える。

そのため、

一般、注意、要注意、危険 の4つに別れ、それぞれ、A、B、C、Xと決められている。

「先程も言いましたが、Xの処刑者は昨日処刑されました。」

リオウの前ではあったが、朧月は躊躇なく言った。

「これで、Xは残り1人か……」

父は腕を組み、考えていた。
リオウは、とりあえず監獄の知識は先程教えられたため、なんとか話しについていっている。

「あの…残り1人はどんな人なんですか?」

リオウは、父に話しかけた。
父はああ、とリオウを見て話しかけた。

「残り1人は子供だよ。ちょうどリオウと同じ年だったはずだ。

罪は町を滅ぼしたこと、言い換えると消滅かな…
これは、とても重い罪でな本来は処刑されているのだがな……」

父は困った顔をする。

リオウは、その子供がさっきの少年ではないかと思っていた。

「困ったことがあるのですか?」

リオウは、慎重に父の顔を伺って質問する。
だが、父はあっけなく答えた。

「あの子は、鬼の子だ。
お前と同じぐらいの力を持っている。そのおかけで近寄れない。

まったく、お前と同じぐらいの力を持っているのに犯罪にその力を使うとはな……」

父は やれやれ とため息をついた。
その時だ、リオウは何かを感じた。
何か襲われそうな、強い何かを。

そのの正体はすぐに分かった。

(えっ…これって殺気!……だれから)

父は殺気に気づいていないようだ。

それもそのはず。
こんな殺気だった中でわずかの殺気を見つけるのはとても難しい。

初めて来たリオウだからこそ分かる。

(えっ……もしかして)

殺気は異様なほど近くから感じる。
それは、リオウの目の前にいる朧月からだ。

リオウは チラッ と朧月を視る。

朧月は視線は父にあり、穏やかに見える。
だが、手には異様なほど力が入っていた。

そして、朧月はリオウがこちらを見ていることに気づき ニコッ と微笑んだ。

それと、同時に殺気がなくなった。

「もう少し、様子を見るか……」

父は結局、先伸ばしにすることにした。
朧月の殺気にも気づかないまま。

リオウは、また朧月を見るとどこか安心しているように見えた。

「そうですね。もう少し待ってみましょう……
そろそろお帰りになりますか?」

朧月は、時計を見て父に言う。
そうだな と父は立ち上がった。

そのまま、もと来た道を戻るだけだ。
リオウはその途中、またあの少年がいた牢屋を見ていた。

少年もやはり、気づいた。
だが、少年は睨んでくるこたはなく不思議そうにジーと見られた。