「ほら!訓練戻るよ。もう日が暮れそうだからちゃっちゃとやるよー!」
扇は手を2回叩くと、それに気づいた陰、陽、アーミャは はい! と言ってそれぞれ位置につく。
ダーインスレイヴを封印した時と同じ位置だ。
(ただし、楓の所に凪、薬の所に扇が入っている。)
しかし、向きは外側を向いている。
「「2重魔法陣 強化シールド」」
「「「3重魔法陣 円弧型フィールド」」」
陰と陽が上に円弧型のシールドを張り、
アーミャ、扇、凪が下(地面)にシールドの役割をした舞台を作る。
「通常のシールドより強いからいいけど、あまり本気は出さないでね~破れちゃうから」
扇の言葉に冗談だろ……と言いたい蜘夜たち。
だが、冗談ではない。誰か1人が本気を出して魔法を放ち続ければ簡単に破れる。
「それじゃあ、始めるわよ。
まずは、上級の魔法から!」
「「「はいっ!!」」」
陰達の返事がフィールド内で響く。
~・~・~・~
「…………もう夕方かな?」
寝ぼけた頭で、窓を見ると紅色の光が入ってくる。
燐は辺りをキョロキョロ見ると隣のベットに堺人が寝ていた。
『そうだ、堺人のお陰で私は正気に戻れた…』
燐は堺人を見ていると、なぜかドキドキする。
堺人が来てくれて、燐が正気に戻った瞬間堺人は安心した声で抱きついて来たときのことを思いだし、顔が赤くなる。
『なんだろう。心臓がうるさい、顔も熱い……これが恋とかいうの?』
1度、陰、陽、アーミャ、楓、薬に聞いたことがある。
実は燐以外はリア充なのだ。それもアマアマな。
だが、燐はそういった感情や情報には疎く、まったく分からなかった。
『でも……まさかそんなはずはないか』
燐は考えることをやめて、堺人の寝顔をジーと見る。
「っ!呪いの毒!」
そこで、ようやく気がついた。
堺人の首筋に黒いアザがある。
これはダーインスレイヴの闇のオーラが侵食した証だ。
進行形ではなく過去形なのはダーインスレイヴを封印したからである。
しかし、それでもそのアザ(毒)は人に害を及ぼす。
普通なら死んでいてもおかしくない。
『……そうか、堺人はカーシャ国の血も繋がっている…ということは獄さんがいれば…』
等と考えること30分。
扇に知らせなければと思いベットから立とうとしたがすぐにクラっと目眩がする。
「あっ……!」
ドサッと倒れたのは堺人の腕の中。
「おはよー燐。大丈夫?」
「えっ堺…人…いつの間に起きてっ!」
堺人が起きていることに驚き顔をあげる。
「さっきね、何回か呼んだけど?」
燐が思考を巡らせている最中は何も聞こえない癖がある。
そのため、その間は何も分からない。
燐は混乱し、1つ1つ整理する。
「あっあの……助けてくれて…ありがとう。」
燐はとりあえずお礼を言う。
堺人はにこやかな笑顔で うん! と言った。
「それで、急に立ってどうしたの?」
「あっ!そうだった。扇さんに言わないといけないことが」
燐は はっ と思いだしドアに向かって行こうとするが、堺人が燐の手首をつかんで止める。
「まって、それだったらこっちを使った方がいいよ。
燐も僕も病み上がりみたいなものだから」
そう言って取り出したのは1つの通信機。
しかし、耳に着ける物ではない。
電話ボックスをペットボトルぐらいの大きさにしたような感じで、ベットの間にある棚の上に置かれていた。
「これで、扇さんを呼べるよ。
内容を伝えることもできるけど、内密にしたいなら直接呼んだ方がいいかな。」
堺人はなれた手つきでそれを操作する。
すると、10分もせずに扇達が来た。



