才華龍学院 Ⅰ


「楓が生まれたのは光国の秋染家。
紅葉の母である 秋染 茜 (あかね) はお腹に双子の赤ちゃんがいた。それが楓と紅葉。

それで、いよいよ出産なんだけど……
最初に生まれたのは楓。

だけど、楓は魔力が高すぎてね母親はそれに耐えれなかったの。

楓が生まれた瞬間、魔力を奪われて入れ替わるように母親の茜は亡くなった。

まだ、中には紅葉がいる。
けど、母親はもう死んだから紅葉は帝王切開で生まれたの。」

扇の話に疑問を抱く。

「私もそれなりの魔力はありますが……耐えられないものなのですか?」

レインは口をはさみ、疑問を言う。

「まあ、楓と紅葉が双子じゃなければね。
2人は一卵性で楓の方が多くの魔力を奪っちゃったから。

それで、楓は忌子とされて秋染家がある集落の近くにある山で燃やされかけた。」

皆は、息をのみながら続きを聞く。

「そこで、助けた……誰も見えない炎の中で楓と魔法で作られた変わり身をすり替えたのがグリムズの者だった。

だから、楓はグリムズで育ったの。
その助けた人は新たに加わる3人なんだけど」

その話を聞いた紅葉は、 楓が嫌そうにしていた理由が分かった。

「確かに、忌子と言われるには悲しすぎますね」

レインは涙が出そうな眼だった。

「薬はどうなんですか?」

柳は薬のことが気になっていた。
扇は あぁ、と思いだしたように頷いた。

「薬はこの前滅んだフィルウェン王国生まれなんだけど、孤児の理由は楓と一緒で、母親は生まれたときに魔力を奪われて死亡。

忌子と言われて捨てられてたそうだよ。
2人は同じ日に生まれたから、その日を忌の日とか言われてたっけ」

扇は、首を傾げながら言う。
だが、扇はそんな2人を立派に育てている。

あるいみ、楓や薬からすると姉や母親のような存在だ。

「少なくとも、この国には来たく無かっただろうね。

秋染家との遭遇もあるし、なによりその秋染家が怖いのもあるだろうし……

そこを乗り越えて欲しいんだよね。私は」

扇は苦笑いをしながら話を終えた。
グリムズには強い力を持った者がほとんどで、世界では絶命された一族や貴族もいたりする。

強すぎる力は時に人に恐れられ、嫌われ、命を狙われる。

そんな、世の中から身を守るようにグリムズは作られた。

そう思ってくるカインたち。
それは、本当かどうかは分からないが……