才華龍学院 Ⅰ


その前にはアーミャがいる。

「どうしたの?みんな集まって」

陽はアーミャに問いかける。
アーミャは困った顔をして言う。

「これから、練習でしょ?
みんながついてくるって……言われて…」

アハハ…と苦笑いをしながら どうしよう という顔だ。

(言葉にしなくても どうしようって顔で語りかけられてるんだけど……どうしよ)

陽はテレパシーで陰に問いかける。

(……いいじゃい?…ダメとは言えないし)

陰は陽の顔を見て でしょ? と首を横に傾ける。

「まぁ、大丈夫だと思うし…あと1分しかないよ……」

陽の言葉に陰とアーミャは青ざめて転移魔法を発動させる。

「時間ないから転移使うけど、庭にいるからー」

アーミャはそれだけを言って陰と陽と転移する。

「…………」

急に消えたアーミャ達を呆然と見ていたカイン達は、庭に向かって歩きだした。

~・~・~・~

「あと、20秒……危なかったわね」

扇はキレる垂涎であった。
扇はいたずらを少しするが時間には厳しい。

「セーフですか?」

陽は恐る恐る聞く。
扇はため息をつきながら頷いた。

「ギリギリとはいえ、時間は守ったのだからセーフだね。

でも、珍しいねアーミャはともかく陰と陽がギリギリとは」

扇の言いように ともかく!? とアーミャは声をあげる。

「えっと……アーミャの後ろに他の子達が……」

なんと言えばいいのか迷っていた陽に、扇はアーミャを見る。

「カイン達や蜘夜さんがついていくって言われて…多分そろそろ来ると思いますよ」

アーミャの言葉通り、蜘夜たちが向かって来ていた。

すると、楓が皆が来る場所から遠退くように歩いていく。

「あっ!楓ー!」

それに気づいた扇が楓を呼ぶ。
だが、楓はその声に反応し1回止まるがまた去っていった。

「すみませんが、僕と楓は抜けます。
いいですか?」

薬は、早く楓の元に行きたいといった顔をしている。

「はぁいいよ。まぁでも、ここを通り越さないとその先には進めないけど……」

扇は呟くように言った。

「はい!ありがとうございます。」

薬は一礼して楓の元に走る。
まったく、、と扇は苦笑する。

「楓はんやったか?相当嫌われとるなぁ」

蜘夜はクスクス笑いながら扇に言う。

「あのっ!楓さんと薬さんのこと教えてもらってもいいですか?」

紅葉は扇に真剣な表情で言う。
うちも知りたいわぁ と蜘夜も言う。

「……覚悟があるの?それを聞いてどうする?仲良くなれないかもしれないよ?」

扇は目を細めて紅葉に言うと 大丈夫です とはっきりとした声でいった。

「楓と薬は孤児として、グリムズで育った……」