柳は目を見開いて、楓と紅葉を見比べる。
「わっ私が2人…ですか」
紅葉は困惑していた。三編みをほどくとまるっきり紅葉である。
「ああ、だからバイザーを着けてたのか。」
カインは謎が解けて納得していた。
「……君は紅葉と血が繋がっているのではないか?」
風座真も目を見開いて楓に問う。
「…………」
楓は目をそらし口は閉じたままだ。
「かえで」
何も言わない楓に扇がきつい口調で言う。
バイザーを後ろに隠しそれをぎゅっと強く握る。
すると、その手に覆い被さるように誰かの手があった。
(薬…)
その手は隣にいた薬であった。
「楓は秋染家の直系です。そして、紅葉さん……」
「はっはい」
急に薬に呼ばれたため、紅葉は言葉につまった。
「楓はあなたの双子の姉です。」
「えっ……」
薬の言葉で紅葉を含め、グリムズメンバー以外は驚く。
「そんなはずがない!俺は生まれたときから紅葉といたがその子は知らないぞ。」
柳は否定の発言をする。
小さい頃から一緒だったのだから親や祖父に1度は耳に入るはずだ と。
「それはないよ。楓は秋染家では忌子と言われて捨てられたんだから」
忌子……この言葉が出た瞬間楓は薬の手をぎゅっと強く握った。顔も下を向いている。
「紅葉さんは君の母親はもう死んでるでしょ?」
薬の言葉に紅葉はひきつった顔をする。
「なっ……なんでわかったんですか?」
それは、当たりと言うことだ。
「まぁ、このくらいにしておきます。
一気に言うと楓が持たないので。」
薬は楓の手を握り返して口を閉ざした。
「まぁ、言うならば強力すぎる力も場合によっては闇の方へと向いてしまうからね」
扇は もういいよ と言った。
陰たちは頷き扇の後ろに立つ。
その間、楓は下を向いてはいないがどこか嫌々な顔をしていた。
双子の妹である紅葉と再開したくはなかった。
光国には来たくなかった。
その思いが頭をいっぱいにしている。
「大丈夫だよ、楓。」
薬は誰も聞こえない、楓にだけ聞こえる声で言う。
手は繋いだままであった。



