才華龍学院 Ⅰ


それに続いて楓も契約武器を召喚する。

「世界に吹く風の祖よ、温度を変化せし、

 風向きをも変えるすべての風をここに

   全風の風風 (ぜんぷうのかざかぜ) 」

楓が召喚したのは風属性の最高位、の禁級契約武器。

扇面は地(下)は緑色で天(上)に向かって青緑色になっていく。
そして、要部分から飾りのように紐が垂れておりその先には鈴がついていた。

扇がもつ、全水の水雫は
扇面は地は藍色で天に向かって青色になっていく。
要部分から飾りのように紐が垂れておりその先には鈴がついている。


属性ごとに色は違うが形はまったく同じだ。


「よし、薬!」

陽は陰に攻撃をやめるよう指示し、薬に声をかける。
薬は頷き、治癒のパナケイアをかざす。

「閃光広覇 (せんこうこうは)」

すると、ダーインスレイヴを中心に心のこもったとても優しい閃光が広がる。

「光無暗壁 (こうむあんへき)」

ダーク・ラテンスよりも強力な闇をまとった黒い壁をダーインスレイヴを中心にドーム状となって光を遮る。

これを狙ってか、薬が閃光広覇を使った瞬間陰、陽、楓、アーミャはダーインスレイヴを囲むように位置につく。

「我らは闇を打ち砕く者。

 破壊、呪いを携える者を封印し、

 この世に平和をもたらさん。


  封印5重魔法陣 対闇封印
(ふういんごじゅうまほうじん)  」


5人は声を合わせ詠唱をする。
すると、ダーインスレイヴを中心、アーミャ達を先っぽにした五芒星の魔法陣が現れた。

しかも、下から水色、黄緑色、月色、緋色、桃色と5重になっている。

「ぁぁああああ!!!!」

封印を嫌がっているのか心が空っぽになったダーインスレイヴは悲鳴を上げる。

それと同時に闇のオーラが一気にあふれる。

「シールド!」

アーミャたちを襲う闇のオーラを扇と夕凪、レイン、神無月がシールドを2重にして張る。

「あと、どれくらい?」

扇がきくと、アーミャは苦い表情をする。

「……なんかおかしい。いつもなら封印できるんだけど……」

それを聞いた、扇の表情はかたくなってきた。

「何が起きてるの?」

その答えは当然返ってくるわけもなく、ただひたすら封印をするしかなかった。

「燐……」

堺人はなぜか自然と闇のオーラが渦巻く、燐がいる方へと歩きだした。