才華龍学院 Ⅰ


その少女はフードを被っているため顔は見えないが、明らかに女である声と髪と腕の細さ。

ダーインスレイヴの魔法を受けたにも関わらず無傷であった。

「消滅の呪い……ディテクタール」

少女がそう言うとログハウスが一瞬にして消えた。

いや、消滅したのだ。

「呪いの持ち主!」

扇は驚き、警戒を上げる。
間近に来るまで気づかなかったことに扇以外全員驚いていた。

「仕方ないか……

 世界を潤す水の祖よ、

   我らの生命を維持し、

    大地を潤すすべての水をここに

   全水の水雫 (ぜんすいのすいだ) 」

扇が召喚したのは、誰もが知る水属性の最高位の契約武器であった。

水属性最高位……つまり、水属性の中では最強であり、この武器より上(水属性の中で)はいない。

もちろん、禁級だ。

「なっ……全水の水雫……まさか、扇さんが……」

カインは驚き言葉がつまる。
この世にそれぞれの属性で最高位の契約武器がある。

ダーインスレイヴもその1つで闇属性での最高位。

闇は剣、光は杖、火、水、風、土、雷、氷は扇型の武器と決まっている。

「そう。この子はおとなしいから使いやすいのよ」

扇は全水の水雫をクルリと回す。

「さて、水鏡 (すいきょう) 」

扇は、全水の水雫をかざす。

少女の回りに水の壁が囲むと思うと、鏡となって少女を移す。

「消滅の呪い……ラクタ」

少女はその鏡に触れて消滅させようとする……が

「っ……!」

その呪いは自分へと返ってきた。
少女のフードが消滅し、顔が露になった。

少女は、茶髪のミディアムに呪いを持つ者特有の赤色の瞳だ。

ただの赤い瞳でだけではなく、瞳には六芒星が描かれている。

服は、ノースリーブでどこか扇が着ていた制服に似ており、
丈は、半分は膝上で半分は足首まである。

隙間からは赤色のスカートが見え、靴は茶色のブーツ。

二の腕辺りから手が隠れる手甲のようなものをつけている。

服の中央には▲を上、▼を下にしたマークが刺繍されている。

そして、皆が1番驚いたのが少女の襟の上にある茶色の鉄でできた鎖つきの首輪。

「水霰 (みずあられ) 」

扇は、少女の姿を見ても、容赦なく魔法を放つ。

水鏡を出したまま、何枚もの水鏡の隙間から霰のような水の粒が少女に襲いかかる。

「消滅の呪い……ラ…「破壊の呪い…リーク」」

少女がいいかけたところに新たな声が聞こえた。

「姉さん…」

少女は驚き、少女の姉という女性が現れた。