「ダーインスレイヴは大丈夫なのか!」
淳志は心配でしょうがない。
鈴鐘家の血を引き継ぐ者のもつ能力……生まれたときからもつ契約武器は巫が死ぬまで契約が解除されない。
つまり一生、一緒にいる相棒だ。
それが、最強の呪い刀なのだからこの先何が起こるか分からない。
「災厄は逃れられないわ。
これは何があっても変えられない。」
優は悲しい眼で淳志を見つめる。
「そうか……だが、できることなら俺たちで止めたいんだがな…」
淳志は赤ちゃん(燐)の頭を撫でながら言った。
それに、優も頷く。
「私の天名とあなたの鍵月(かぎづき)があれば8歳までは抑えられるわ。
その後はなんとも言えないけど…」
淳志は月島家と中のよい契月家の人間であり、
鍵月は契月家が代々祀っていた禁級契約武器だ。
『……あら、人間が2人』
突然声がして、淳志は身構える。
「あなたは……もしかしてダーインスレイヴ!!」
優は興奮ぎみに声を上げる。
『ええ。そうよ…この子の名前は決まったのかしら?』
ダーインスレイヴは優の隣に座り、燐を見る。
『あっ、危害は加えるなんてことはしないから安心していいわよ』
身構えたままの淳志をなだめて、優の方を向き 名前は? と聞いてくる。
「名前は燐。コードネームは殺よ。」
笑顔でいう優だが、密かに警戒していた。
『そう。燐…いい名前ね。』
ダーインスレイヴは優しい眼差しで燐を見つめる。
「でも、本当は名前は20歳のときにつけることになってるから、できれば殺でお願いね」
『殺……天名はやはりその名を…』
「!!どうして天名を知っているの?」
優は警戒をあげて質問する。
『どうしてと言われても……私は一応禁魔級よ?それに、天名とは何回も話してるのよ』
ダーインスレイヴはクスッと笑いながら そうでしょ? と言った。
『そうだね。ダーインはよく話を聞いてくれる』