『大変なことになったわね。』

頭の中からダーインスレイヴの声が聞こえた。

(まったくだよ。なんで今日なのかな、最悪だよ)

燐は不満をダーインスレイヴに言うとダーインスレイヴは クスッ と笑う声が聞こえた。

『しかたないわ。私も他の子たちも協力するから。それに魔獣を倒すときには私を使いなさい。』

ダーインスレイヴはまるで母親のような優しい口調だ。

(うん。ありがと)

燐は少しだけ微笑んだ。


ダーインスレイヴと燐は契約者と契約武器の関係だけでなく、2人は姉妹のようなものだ。

鈴鐘家では、宗家の鈴鐘と分家の1つ鈴宮の巫女又はその娘は特殊な能力を持っている。

生まれながら体内に契約武器が眠っているのだ。
お腹の中にいるときに契約武器を呼び寄せ、そこで契約すると言われているがその実体は謎。

その武器は最上級以上であり、光、水属性が多い。
むしろ、燐のような闇属性の武器なんて例外だ。

燐が生まれたときに体内に眠っていた契約武器がダーインスレイヴなのだ。

ダーインスレイヴは闇属性でも最上位。
契約しようともその闇にのまれてあっけなく死んでしまう。

だが、ダーインスレイヴはとても優しく双可もなついている。

燐がもつ契約武器全員がダーインスレイヴを認めており、嫌っていない。
というより燐の契約武器の中ではリーダー的存在だ。

「……いた。燐、あとどのくらいもちそう?」

隣にいた扇は燐に聞く。能力解放まで時間はあるか?と。

「あと…数分ですかね。」

能力解放は新月つまり夜になると完全に解放されるが、燐の場合契約武器が強力なため昼から夕方にかけてほぼ解放される。

「んー……やばいなー。」

扇は どうしたものか と悩む。

『殺、扇ちゃんに話したいことがあるのだけど』

ダーインスレイヴが言うことに 分かった と頷いた。

『久しぶりね、扇ちゃん』

扇の頭の中にダーインスレイヴの声が響いた。