「ですけど…これで終わりです。」

燐は可鈴を扇の首筋まで持っていく。
だが、そんなことは扇は分かっていた。

そのため隙をついて燐の手から可鈴(剣)を離す。

「チェックメイト~」

扇は燐の首筋に剣を当てる。
可鈴は燐から遠くの方に刺さっている。

「それはこちらのセリフですよ、師匠」
「なっ!」

扇は驚いた。
燐の首筋に当てていることに変わりはない。
      . .
だが、扇は燐に首筋を当てられていた。
しかも6人にだ。

「……やられた、鏡化幻か……」
「ご名答。」

鏡化幻…可憐の能力で可憐の主、または鏡に映る人、物、景色を実体化するものだ。

鏡化幻で作られた偽物の燐であっても触れられない訳ではない。
剣も本物と同じように斬ることもできる。

「はぁ……参りました。」

してやられた という顔をしながら降参の合図をする。

そこで、試合終了のブザーが響いた。
実際は燐たちの頭のからだ。

通信機から実況者の声が聞こえた。

『S-476小隊リタイアにより、E-076小隊の勝利!
小隊ランキング戦、優勝はE-076小隊です!!!!』

今頃、観客席では驚いているだろう。
入学したばかりの中学生小隊に学院最強の小隊が破れたのだから…

「うそ!まじで勝ったのか?」

カインは驚きで夢ではないかと疑う。

最初にリタイアしたのは神無月だ、カインの呪われた剣によって全ての魔法を惨劇され魔力が底をついた。

次に、レイリだ。
空間は厄介に思えるが紅葉の舞風は紅葉自信が風を感じることができるため空間が開く瞬間、場所が分かる。
そのため、空間を使っても意味がなかった。(紅葉にしかできないこではある。)

蜘夜は、神無月を相手していたカインが合流し、あっけなくリタイア。

アーミャと夕凪の戦いも長引いたが見事に勝つことができた。

そして、燐と扇だ。
堺人たちが燐の元へ行き、参加しようとするがあまりにも激しい戦いに入ることを止めたアーミャに従い、ずっと見守っていたのだ。

「強くなりましたね。」

夕凪は扇のもとへ行き言った。
それに扇は苦笑しながら頷いた。

「ほんと、そうね」