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それぞれの戦いが始まってどれ程の時間がたっただろうか、燐と扇は契約武器を使わず魔法だけで戦っていた。

「雷神撃(らいじんげき)」

燐は扇に向かって神級魔法を放つが威力は凄まじく、扇が避けると後ろの木は根本から消えている。

「水牢 (すいろう)」

扇は燐を水の牢屋で閉じ込める。全て水なため燐は息ができない。

「……紅炎(こうえん)」

燐が魔法を放つと水が蒸発してしまう。
それどころか燐の周りにあった草が燃えて塵となっていく。

「水演劇!(すいえんげき)」

「竜電!(りゅうでん)」

扇は水属性、燐は火と雷属性をうまく使って攻撃を繰り返す。

(昔よりはるかに威力があがってる……さすが私の弟子)

扇は成長している弟子を関心に思いながら、契約武器を召喚する。

「雷を起こす者よ、雷を操るものよ、

 雲の上より、この地へ雷を落とせ。

       雷神(らいじん)」

扇は神級の契約武器を召喚する。
扇の身長ぐらいの長い剣で、剣からは雷のようなものが見え、ビリッ という音が聞こえる。

それを見た燐は変形の双可を召喚する。

「久しぶりだね可憐と可鈴。元気にしてた?」

扇がそう訪ねると剣がそれぞれ黄色とピンク色の輝きを放つ。

モニターを見ている観客たちは音声はないため扇との会話は聞こえていない。

「はっ!」

睨みあっているなか先に動いたのは燐であった。

「あまいよ!」

扇はスムーズに避けながらも攻撃に出る。

何度も攻撃、防御を繰り返す。
時には腕や足にかすれて擦り傷ができる。

扇は体勢を前のめりにしながら勢いをのせて剣を燐に向けて突き刺す。

それに対して燐は可憐を地面に刺して可鈴だけを構えていた。

ギイィィン と剣と剣がぶつかりあう音がする。

扇はそのまま攻撃を繰り返す。

「フフフ。やっぱり燐とやるのは楽しいよー!」

楽しそうな扇に対して、燐も笑みがあった。