3時になり、燐とアーミャは時計塔へ向かった。

「おっ!きたきた」

陽がいち早く気がついて手を降っていた。
だが、陰、陽、楓、薬は素顔がばれないようバイザーをつけていた。

バイザーには通信機も繋がっており、いつでも連絡がとれるようになっている。

「さて、集まったね。陰、陽、説明よろしく。」

扇は陰と陽を見た。

「はい。あの建物はやはりハーメルンのアジトでした。マークも確認済みです。」

陽が説明を終えると次は陰が口を開いた。

「学院で盗んだ書物は禁級、禁魔級について……」
「その中には僕たちが使うような最も危険なものまで書かれている禁書です。」

陽は付け足すように言った。
扇は頷き口を開く。

「やはり…これはまずいかもしれない。
仕方ないか、陰、陽、楓、薬は学院内代表戦が終わったら学院長や蜘夜たちに紹介する。
時間もないしね。」

それを聞いた陰たちは頷く。だが、楓は渋々だった……。

「そういうことで、解散していいよ」

扇はヒラヒラと手を振った。
そして、陰たちは空間転移で消えていった。

燐とアーミャも時計塔から降りて寮に向かって歩き始めた。

「さて、問題はハーメルンの今後の動き……」

扇は1人呟いた。
そして、通信機を取り出した。

「……サーイン 5 扇 です。ハーメルンが行動をおこし、
私立才華龍学院にある図書館から禁書を盗まれました。
その禁書は禁級、禁魔級の契約武器についてと判明しました。

今後のハーメルンの行動を監視するため、何人か派遣してもらいたいのですが……」

『分かった。3日後に着くだろう。』

「了解。ありがとうございます。」


扇は通信機をポケットに入れ、時計塔を後にした。