才華龍学院 Ⅰ


ほどなくして陰と陽は建物から出てくるとそのまま、2人で歩きだした。

【私たちもここから去るよ。明日の午後3時に集合……解散。】

扇はそう合図して、夕凪とともに消えた。
空間転移だ。しかもそれは探知できない魔法である。

(さすが夕凪さん。誰にも気づかれない静かな魔法。)

夕凪のコードネームは凪。

凪のように止まったような 静かな魔法、それは探知されない極めて繊細な夕凪の能力ともいえる。

燐はそんなことを思いながらアーミャとともにその場から離れた。

夕凪以外は魔法を使えない。
もちろんばれないようにするためだ。

それから、扇と夕凪、燐とアーミャ、陰と陽、楓と薬、それぞれペアになり、

扇と夕凪、燐とアーミャは別ルートで学院へ
陰と陽は黒森都市の飲食店謙家へ
楓と薬も黒森都市へと帰っていった。

~・~・~・~

「今日は本当にちょっとした処理だね。」

燐は帰る途中、アジトと思われる建物からずいぶん遠くなったのを確認し口を開いた。

「確かにね~まさかアジト探しとは…情報収集班とか通信伝達班がしてそうなのに」
           . . . . . . . . . .
アーミャも頷き建物の屋根と屋根の間を飛ぶ。

「確かにしてました。ですが華龍都市だけは見つからなかったので、扇部隊に力を貸してもらいました。」

急にレイリが現れ説明する。
グリムズの制服ではなく私服であった。

「なるほど、まーこういうのはなれてますけど」

アーミャはさほど驚くこともなく納得した。

レイリは空間、時間を操る魔法を得意としている。

「それでは、私は帰ります。学院内代表選頑張ってくださいね。」

そういって、レイリは消えた。
そこには魔力のかけらも残っていなかった。

「さて、言い訳はどうする?」
「……めんどくさい」

燐とアーミャは帰ったあとの堺人たちにどう説明するかに悩みため息をついた。