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すっかり夜になった。
夜といえば裏の世界に生きるものの時間だ。
ほとんどの明かりもないなか、警備兵や魔法師の目をくぐり抜け奥へ奥へと進む。
ローブを着た者は道に迷うことなく進んでいく。
「…………」
今いるのは才華龍学院の図書館。
才華龍学院の図書館は世界屈指の保管所。
魔法書や今までの歴史書などさまざまな本があり、一般者が使用してはならない禁術書もある。
もちろんそこの警備は厳しく、禁術書のある立ち入り禁止の部屋は全体に強力な結界が張られている。
「…!…なにものだ!」
警備をしていた魔兵(魔法を使う兵士)が人影に気付き身構える。
「…………」
ローブを着た者は何も言わず、魔兵の目の前から消えた……と思った瞬間、魔兵の後ろにいた。
「眠れ……レリルファルフ」
ローブを着た者は何かの魔法を放つと魔兵は ストン と音もなく倒れた。
眠ったことを確認すると1本の千本を首もとに刺した。
「永遠にお休み」
そう呟いて図書館へ入る。
監視カメラなるものはきれいに避けて立ち入り禁止の部屋まできた。
鍵はかかっているがそれも難なく外し中に入った。
「見つけた。」
立ち入り禁止の部屋の中は奥になるつれ危険度は高くなる。
ローブを着た者は1番奥につまり、この図書館の中で1番危険の書物を手に取った。
「任務完了」
ローブを着た者は一直線に立ち入り禁止の部屋から出た。
「はい。そこまでー」
「ッ!」
ローブを着た者は驚き1歩後ずさる。
ローブを着た者は常に警戒していたが目の前にいる女には気づかなかったのだ。
グリムズの制服を着ており、手には手甲なる布をつけ、顔はバイザーで隠れているため分からない。
「ッ!グリムズ扇部隊隊長、全魔の扇」
ローブを着た者は、低い声で名を言った。
「正解。私のことを知ってるってことは……あなたハーメルンの一員ね。」
扇は手を腰にあて、ローブを着た者を睨む。
ローブを着た者は正直、扇とは戦いたくないだろう。
扇の名前は裏の世界では有名だ。
とくにハーメルンは警戒している要注意人物だ。
「……確かにあなたには敵わない。ですがもう遅い。」
ローブを着た者はフードのなかでニヤリと笑った。
「……!…まさか!」
それに気づいた扇はローブを着た者に魔法を放ったが、遅かった。
「空間転移」
ローブを着た者の下に魔方陣が浮かんできた。
そして、ローブを着た者は粒子となって消えた。
「……やられた!……けど誰かは分かった。」
扇もニヤリと笑うが禁術書を持っていかれたことに変わりはない。
はぁ とため息をつきながら図書館を出た。
朝になり学院の生徒が、刺されて死んだ魔兵を見つけた。
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