「可憐、ありがとう……それと、可鈴に伝えて…開始可能って。」
燐は可憐の頭を撫でながら言った。
そして、今まで見たことのない優しい声音だった。
『了解。また何かあれば呼んでください。それでは。』
可鈴と同じ背丈だが、口調からして可憐のほうが大人のように見える。
可憐はお辞儀をして スー と消えた。
「んじゃ、他の小隊の観賞しようぜ!」
カインは早速と部屋を出ていた。
Aランクの中には全国代表戦に出場したことのある小隊もいる。
もしかしたら当たる可能性がある。
試合を有利にするためには観察することも大切だ。
「次って全国代表戦で2位だったところだよな」
堺人は制服を正しながら聞いた。
燐はそれに頷いて部屋の外に出た。
寮の廊下は シーン と静かだ。みな、学院内代表選を見に行っているのだろう。
(にしても、学院内代表選の話、ながくないですか?)
そんなことを思う紅葉ではあるが、次の試合はものすごく気になっていたので言葉にしなかった。
~・~・~・~
『次は、昨年全国代表戦で準優勝したA-776小隊!そして、挑むのはB-856小隊!』
よくよく、聞くと今日の実況者である双月 美桜の声ではなかった。
「うぉぉぉおおおおおおーーー!!」
A-776小隊が姿を現した瞬間、観客は大盛り上がりだった。
それもそのはすだ、この小隊は全国代表戦で準優勝しただけでなく、
「あれって……有沢姉妹か!」
人気ものの実況者、有沢3姉妹がいるからだ。
そして、同じく実況者で人気もある
双月 美桜 と 双月 李桜(りおう)の双子の姉弟、
学院内代表選個人で全国代表戦のメンバー常連の
暁 呉羽 と 暁 胡桃
(あかつき くれは) (あかつき くるみ)
の兄妹を加えこの学院誰でも知っているメンバーである。
「すごいメンバーだね~学年もばらばらだしきょうだい、姉妹ばかりだ~」
アーミャはニヤニヤしながら見ていた。
もちろん、燐たちより年上ではあるが年齢ばらばらでありながらうまく連携をとれているものだ。
『我らのA-776小隊!どのような試合を見せてくれるのか!……試合開始です!』
実況の言葉で双月の双子が素早く動いた。
さすが、双子といえるだろう。
息ぴったりのナイフさばき、相手は3人いるなか上手くかわす。
2人は意思疏通で次の動きまで誤差がない。相手はどんどんダメージを負っていく。
「やっぱり厄介だよね~。とくに双子は」
アーミャはクスッと笑いながら楽しそうな顔をしていた。
アーミャはやりがいのある相手が大好物だ。
燐はそんなアーミャの顔を見て、確かに と思った。
だが、小さい頃からアーミャといる燐にとって、アーミャは双子も同然の存在。
警戒もさほどしていなかった。



