「……リタイア……」

開始してから約30分、堺人は少し顔を赤くしながら言った。

燐と堺人では、圧倒的に燐のほうが強いが今の力で30分も続いたことに驚いていた燐。

今まで、こんなに長く続いたのは初めてであった。

「あっ……うん。」

堺人がリタイアと聞いて我にかえって堺人の
. . . . . .
上からおりた。

さっきまで堺人を押し倒し、その上に乗って首筋に魃を当てていた。

戦闘ではよくある(?)ことなのだが、堺人にとっては首筋に当てられたよりもそっちのほうがダメージが大きい。

燐に見られないよう顔を下に向けていた。

「……大丈夫?顔が赤いけど…魃にやられた?」

相変わらずの無表情だが声音は心配しているとわかっていた。

「うん……ちょっとね。」

燐は顔が赤いのは魃の力で熱にやられたと思っているがそうではない。

だが、本当のことを言えるはずもなく、堺人は苦笑い。

「さてと、休憩したらまた頼むよ。」

堺人は演習場の中にある休憩室に向かう。

「もちろん。」

燐も堺人の後ろをついていった。

その後も何回も挑んだが、燐に勝つことはなかった。