「……誰もいないね。」
燐と堺人は演習場に来たのだが演習場には人1人いない。
「みんな、会場だろうな。」
今日はBランク同士なため、気になる者は多いだろう。
「それで、どうするの?」
燐は誰もいない演習場の中央に立って堺人に問いかけた。
2人で練習するのは定期テスト以来であった。
「僕と戦ってくれないか?」
堺人の言葉を聞いた燐は ポカーン としていた。
堺人に自分と戦えとは言われたことは1度もなかった。
どちらかというと連携をとるための練習のようなものの方が多い。
「もう、Bランクまできたから中衛に敵が来ることは増えてくるだろうし……
だから、少しでも力をつけないと……
ごめんなパートナーがこんなんで。」
堺人は申し訳なさそうな顔で言った。
堺人は燐の本当の力を見たことがなく、その力を隠しているため、本当の実力を知らない。
本当は今までの小隊は1人で片付けることは容易い。
だが、燐はそれを勿論隠しているため堺人の答えにうなずいた。
「いいよ。でも、容赦はしないよ?」
燐は微かに微笑んだ。
それを見た堺人も笑顔で頷く。
「ああ!よろしく頼む!」



