才華龍学院 Ⅰ


「そうですね。それより、扇はどこにいるのでしょうか。」

蜘蔬を受け流し、扇を探すレイリ。
それを見て蜘蔬は ムゥ となる。

「なんや、レイリはん。冷たいやんかぁ」

涙目になる蜘蔬を ジー と水無月は見る。

その間もレイリは蜘蔬を無視して扇を探していると、後ろから声がした。

「お久しぶりです。蜘蔬さん、レイリさん、水無月さん。」

その声は、何年ぶりかに聞く声だった。

「ほんまお久しぶりやなぁ、大きくなったやん。」
「お久しぶりです。元気してました?」
「…………久しぶり。」

蜘蔬とレイリは微笑み、水無月は手をふる。

「せやけど、ええんか?試合はさっき終わったんやで?見つかったらどうするねん。」

蜘蔬の言葉に燐は微笑んだ。

「大丈夫ですよ蜘蔬さん。
これは可憐の 鏡化幻 (きょうかげん)です。
本物の私ではないですよ。」

燐は珍しく苦笑する。

「もう、使いこなしとるようやなぁ。」

燐の説明で成長したと感心する蜘蔬。
それはレイリも水無月も同じで、蜘蔬の言葉にうなずく。

「それで、どうしたんですか?師匠を呼びましょうか?」
「任務についてのお知らせです。お願いします。」

燐のといに答えたのはレイリであった。

そして、レイリが頼むと 了解 と答えて燐の姿は円形の粒子となって消えた。
可憐の鏡化幻を解いたのだろう。

数秒待っていると、

「何の用ですか?」

扇がめんどくさそうな顔をして来た。

「周はんの通信機はどうしたんや?」
「明日、蝶に渡そうかと思っています。」

蜘蔬の言葉に即答して答えた。
どうやら扇は戦友である自分ではなく、扇と周の弟子である蝶に渡すことにしたのだ。