次の日燐は夜遅くに寝たため、眠たそうにしている。

「どうしたんだ?眠たそうな顔して。」

制服に着替えた堺人は共有の部屋に移ると燐の姿はなく、燐の部屋に行くとびっくり。

燐は寝ていたのだ。さすがに起こさなければ遅刻してしまうが、いっこうに起きなかった。

「ふあぁ、なんか眠れなくて。」

これは嘘だ。本当は陰たちと1時間過ぎても話していたからだ。

扇に怒られるのは避けられないだろう。

「ハハ、珍しい。」

2人はキッチンに移動する。
最近は堺人も手伝うようになった。

燐も堺人も今のところ寮のレストランにはいったことがない。

「今日から小隊ランキング戦かー。午後から小隊棟で会議だろ?」
「うん。私たちの小隊は個人は強いけど全体だとね……私とアーミャ、堺人とカイン、紅葉と柳、って感じになるから。」

学院内代表選の小隊ランキング戦では、ランク別からのスタートとなるため、下のランクになるほど困難になる。

例えばCランクの小隊はDランクvsEランクの試合で勝った小隊と戦いが始まる。

ランクが下だといっても強い場合があるが、ほどんどは上のランクの小隊が勝つ。

燐たちE-017小隊は見ての通りEランクだ。
D、C、B、A、Sランクの小隊に勝たなければならない。

「Sランクにはウルマス・サリアンの小隊、S-476小隊がいるし。そこに師匠と夕凪さんがいるのはきついよ。」

燐はため息をつきながら野菜を切っていく。

「そうなのか?」

堺人は扇と夕凪の実力が分からない。
2人とも個人競技には出ていないのだ

「個人だったら何とか勝てると思う。
けど2人の得意なことは会ったばかりのひとでもすぐ馴染むこと。
だから、S-476小隊のズレは修正されてるだろうね。」

「なるほどなー」

それに加えると扇と夕凪はグリムズを抜けてはいない。
つまり、現役の暗殺者、情報収集者である。
実力は本物だ。