「了解。……可鈴」
『はいはーい、おっひさー』
黄色の魔法陣からは剣…ではなく1人の少女が出てきた。具現化した可鈴だ。
可鈴は、
前髪はぱっつん、
横髪は肩辺りまであり左右とも2つのはねっ毛があるのに対して後ろはショートカットされている。
瞳の色は勿論黄色。
服も膝まである真っ白のローブに黄色い2つのボタン、なにを描いているのかわからない黄色い模様がある。
ローブの下は瞳より薄い黄色のワンピースで一番下の数十センチは瞳と同じ黄色である。
真っ白のブーツで紐は黄色。
右手に鎖のような物がつけられており、それは可憐と繋がれていた紐と同じ形と色をしている。
可鈴のトレードマークは黄色いものである。
可鈴(可憐も)は知らない人の前には具現化して出てくることはないが陰たちは見知った顔なので躊躇うことなく出てきた。
「可鈴、音響追跡できる?」
『もっちろん!でも生きてないと無理だよー?』
可鈴は手を広げてクルクル回りながら言う。
音響追跡には条件がある。
跡音されているか、追跡する対象が生きているかだ。
逆に言えば生きている限り跡音は一生消えない。
「それが知りたいの。対象者は荒川。」
『はいはーい。……音響追跡……おっ!おー』
可鈴は音響追跡をして驚いた顔になる。
『生きてるよー。びっくりーなんでー?』
可鈴は口を三角形にして燐に言う。
燐は はいはい と可鈴の頭をポンポンする。
可鈴の身長は小学6年生の平均辺りに対して言葉からはそれ以下に見える。
「当たりみたいだよ……で、どうする?」
燐は陰たちに聞くが陰たちも悩んでいる。
「……とりあえず扇さんに報告しないと、じゃない?」
陽は手を組ながら陰たちにとう。
「それが1番いいね。……蝶がいたら楽なんだけどまだかな?」
「そろそろくるよ。」
薬が下を見ているとアーミャが上がってきた。
燐はアーミャの魔力を感知したらしい。
「ごめーん。今日結構疲れちゃって。」
アーミャは手を合わせて謝る。
陰たちから見ると、燐もアーミャも鈍ってしまっている。やはりグリムズとの差が広がっている。
だがそれはゆったりしているからでいつもはそうではない。
このことは勿論陰たちも了解済みだ。