才華龍学院 Ⅰ


「せいっ!!」

燐は蜘夜に向けてものすごい早さで槍を振るう。
双可のピンク色と黄色の模様が一閃するが速すぎて模様の光は伸びて見えた。

(なんや、この子!技能めっちゃ高いやん)

燐の攻撃を影隠の大鎌で受け止めるが所々で受けきれず掠れてすまう。

「あかん……影隠!」

      スウゥ……

『でた!蜘夜選手の得意技、影隠!!!!!毎年のことながらどこにいるのやら……』

影隠……影隠の大鎌がもつ能力で、影に隠れ相手からは見えないようになっている。

この技を使い勝利しているため、闇の中に住んでいるように見えることから 闇暮らし と言われている。

もっとも、これだけでこの異名がついた訳ではないが。

(やっぱり……どこにいる。)

「ここやでぇ」

       キーン

蜘夜の声に反応して槍を構えると槍と大鎌がぶつかった。

「ヒヒヒ」

なんとも不気味な声を聞いて燐は背筋がゾクッとする。

(なんか怖いなこの人)

なんて思いながら回りを見る。
影は大鎌の能力で見えない。地面は水溜まりもないためいる場所を特定できない。
例え作ったとしても飛行魔法を使われば意味がない。

(……可鈴……)
((はいはーい。なんですか?))

頭のなかで双可の片割れ、可鈴を呼ぶ。
可鈴は元気よく返事をしてきた。

(準備は?)
((もちろん、できてるよー。でも久しぶりだからなー。失敗するかも!))

可鈴は悪気もなく言う。これが可鈴の性格である。

(いいよ。そうそう失敗はしないから。)

燐は自信ありげの声で可鈴に言った。
そして、槍の黄色の部分がわずかに光る。

「可鈴 音響追跡(おんきょうついせき) 」

しかし、なにも起こらない……ように見えるが燐自身には起こっていた。