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燐が会場の控え室に向かったのと同じ頃。
「ごめんね。ちょっと用事あるから。」
「そうですか。気を付けてください。」
会場にいた扇はレインたちとわかれた。
会場に出てからは繁華街に向かった。
正確には繁華街を少し離れた時計塔。
途中まで、監視らしき人がいたが扇はいとも簡単にまいた。
扇はちょうど時計があるあたりまでのぼる。
「遅かったやないかぁ。扇はん。」
突如、蜘夜と同じ口調の声が聞こえる。
振り替えると3人の女性がいた。
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「すみません。というか蜘夜に思えてきますね。」
扇は女性を見ながら苦笑する。
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「そらそうやろ。これでも姉妹やでぇ?」
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「確かにそうです。口調は冬枯家の特徴ですから。」
「……うん。」
扇にそれぞれ頷く。
上から、
焦げ茶色の癖のある髪に蜘蛛型のヘアピンをしており、紫色の瞳をしている。
名は 冬枯 蜘蔬 (ふゆがれ ちな)
金髪のロングヘアーに花のヘアピンをしており、ピンク色の瞳をしている。
名は 風花 レイリ (かざはな れいり)
肩あたりまである藍色の髪に月のヘアピンをしており、橙色の瞳をしている。
名は 零堂 水無月 (れいどう みなづき)
3人とも、蜘夜、レイン、神無月を大きくしたような感じであり、それぞれの姉である。
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「それで、教師のあなた方がどうして来てるんですか?」
扇が呼ばれたのはついさっきで、弟子である燐の試合が見れず少し機嫌が悪い。
「扇………声音……怖いよ。」
水無月は無表情のまま扇を見る。
神無月の無口に無表情は姉譲りだろう。
そこで蜘蔬が魔法で液晶画面をつくる。
そこには、今から始まる試合が写しだされていた。
「一緒に見ようおもぉてなぁ。うちの妹と扇はんの弟子でありうちらの教え子の試合をなぁ」
蜘蔬は薄ら笑いを浮かべる。



