「じゃあ、カインは弟を殺したいって……」
「思ったことあるな。実際に、殺しかけたし。」
堺人の聞きずらそうな質問にカインは隠そうとせず、何もなかったように言った。
「かけた?」
柳は首をかしげる。
殺人カインの生まれ変わりならば繰り返されるはず。
だが、殺していないのはおかしい。
「それは、カインの巫女がいるからな。」
カインはアーミャの頭をポンとなでる。
殺人カインの生まれ変わりであっても弟を殺すことは繰り返される。
これを変えたいと人々は願った。
ある日、生まれ変わりのカインが弟に嫉妬し、殺そうとしたときだ1人の女性が現れた。
その女性はカインの因縁という魔法を制御したのだ。
そして、カインの弟を殺すことなくこの世を去ったという。
この出来事からカインを制御する女性をカインの巫女と呼ばれた。
カインの巫女が現れてからはカインは殺人とはならなくなった。
しかし、カインの "弟への嫉妬,, は次の生まれ変わりであろうと変わらない。
「じゃあ、カインはアーミャに会わなかったら……」
「弟を殺してただろうな……」
そして、何も言えなくなりその場はシーンとしていた。
「それで、アーミャが使っていた杖は?」
感じんなところを堺人が聞き、そういえば と紅葉も柳も頷く。
「あー、これはカインの巫女杖。」
そう言ってピンク色の魔方陣からカインの巫女杖が現れ、アーミャは杖を掴む。
「名前の通りカインの罪を封じたり、弟を殺すという衝動を制御したりする杖だよ。あと、カインの罪を魔法にしたりもできる。」
アーミャはカインの巫女杖をなでる。
「でも、この子は…何て言うか……光属性のような闇属性のような……あやふやなんだよねー。」
アーミャは苦笑いをする。
「それでさっき、最初に使ったのが カインの略奪」
と、魔法の説明をし始めた。



