そこから、扇たちから魔法や武器の構えなど基本の応用を教えたり、部隊の任務について教えてもらい、
燐、アーミャ、扇、周、夕凪、顔は分からないがあと5人で構成された部隊の任務が始まった。
『殺ー。こちら蝶。標的を確認できたよー』
「了解……」
アーミャが今回の標的の確認を知った燐は手を伸ばし結界の薄い膜のようなものを握る。
すると結界が破れ、警報がなる。
「あと、よろしく。」
『了ーー解!!』
今回の燐の仕事は結界を破り、注意をひくことだ。
「いたぞー!」
予定通り、敵はこちらにきた。
「……遅れてごめん。」
そこに静かな声で1人の少女がきた。
しかし全体がぼやけていて、表情やコードネームの文字は分からない。
唯一分かるのは髪は長く黄色をしている、スカートをはいていることぐらいだ。
「いいよ。○たちは大丈夫?」
「うん……大丈夫。」
燐に向かって頷くが言葉が非常に少ない。
まるで神無月のようだと堺人は思った。
「じゃあ、任務遂行のためにがんばるよ。」
燐と少女は敵に向かって走った。
その後も難なく任務を果たすにつれ、
扇を隊長とする扇部隊は
. . . .
「うわー!不滅部隊だ!」
. . . . .
「さすが、最強の部隊だな。」
などと言われるようになり、燐たちの階級も小将までのぼりつめた。
ここで、また真っ暗になった。
この次はなく、燐は堺人から額をはなした。
~・~・~・~
「これは……」
「私が5歳~7歳あたりの記憶。」
堺人は思ったことを口にした。
「そういえば、さっきの緑の髪の人…」
「そう。その人が周さん。」
燐は肯定して、ハァーと息をつく。
回想伝達をしたうえに、堺人の知らない扇部隊メンバーのコードネームや姿が分からないようにしたため、疲れたのだ。
回想伝達は相手に記憶を渡す無系統魔法。
額を合わさなくとも、相手に触れていれば伝わる。
しかし、額を合わさたほうが魔法はスムーズに進み魔力も少しですむのだ。
「でも、すごいな。本当に最強の部隊だね。」
堺人はニコッと笑顔で、燐に言う。
「どうだろうね。」
燐は目をそらして言った。
燐は堺人に少しずつ心を開いていた。
燐が自分の記憶を見せたのはこれがはじめてだった。