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「ここが才華龍学院ですか。」
「…………そう。…楓(かえで)は初めて?」
「はい。…ここに殺と蝶がいるのですね。」
扇と同じ黒のローブを着ている少女は陰に問う。
陰からは楓と呼ばれた。
陰たちがいるのはフィールドを中心に回りを囲む観客席、天井がない会場。
ではなく
そこの近くにある学院の時計塔のてっぺん。
そこからでも試合がよく見える。
「陰と楓、速いよ。」
「同感。もうちょっとゆっくりしてほしいよ。」
そこに遅れて陽と少年が到着。
「……遅い。」
「そうですよ。せっかく殺と蝶の顔を見られるのですから!薬(やく)もそう思いませんか?」
楓は薬と呼ばれた少年に言う。
「確かにそうだけど。さすがに黒森都市から、
. .
走るのはきつい。」
息を整えて楓に言う。
「それより、殺と蝶はいる?」
陽は陰と楓にきく。
「……いた。」
陰と楓は観客席を見渡し、見つけた。
「あっほんとだ。少し変わった?」
陽と薬も陰の指差すところを見る。
そこにはアーミャと隣に燐がいた。
「でも、無表情と超笑顔は変わらないね。」
「それは分かる!ハハハ」
薬の言葉に陽も頷き陰、陽、楓、薬は笑う。
そのとき、いきなり燐がこちらを向いた。
目を見開きながら。
「あっ気づかれたみたいだね。」
燐の魔力の感知は知っていため気づくことは分かっていた。
燐に向けて手をふる。
「あっやばい…屈折!」
そこで、燐の隣にいた堺人が燐に話しかけこちらを見る。
アーミャ、カイン、紅葉も同様こちらを見ていたため、陽は光の屈折を行った。これは無系統魔法だ。
「ふぅ、危ない。」
今、陽たちは学院に不法侵入しているため燐とアーミャ以外には見つかってはいけない。
そして、また燐を見ると燐はこちらを見ずにフィールドを見ていた。
しかし、燐は笑っていた。そして口の動きを読むと
「久しぶり陰、陽、楓、薬。ですって。」
楓は燐の口の動きを読み取った。
「ほんと久しぶりだよね。」
陽たちが思いだしていたところ。
「!!!!…誰かくる。」
陰が張っていた仕掛けの魔力の糸に誰かが踏んだ。
「じゃ退散しますか。」
陽を先頭に時計塔から姿を消した。
消える少し前に楓は紅葉を見ていた。
「ここに誰かいた気がしたが。」
警備の生徒3人が陽たちがいた場所にくる。
彼らはグリムズの子供、痕跡を残すようなことはしない。



