才華龍学院 Ⅰ


「柳って雷属性苦手なんだ。」

燐は試合を見て思った。

「え?」

アーミャは首をかしげていた。
サンダーインパルスを破って相手のところまで襲ったため、苦手とは思えない。

「予想だけど。まず、サンダーインパルスがぶつかったとき、中央から1、2㎝ほど柳側だったし。」
「でも、それは柳が遅れて魔法を発動したからじゃない?」

燐の言葉にアーミャはすぐさま否定する。
遅れて魔法を出したのだから当たり前だ。

「じゃあ、なんでブロックボールと水蓮覇は速かったの?」
「ん??速かった?」

燐の言葉にまたもや首をかしげるアーミャ。

ハンが出したサンダーインパルスのときの遅れは1秒。

ハンがサンダーボールを出したときの遅れが3秒あたりであった。

「柳が放ったブロックボールと水蓮覇は中央から5㎝ほどハン側だった。
つまり、
遅れが長いブロックボールや水蓮覇のほうがスピードがあったってこと。

それに、バランスが少しとれてなかった。」

「あーなるほどー。よくわかったねー」
「でも、予想だけど。」

燐の説明を聞いて納得するアーミャ。

「燐の言う通り柳は雷属性の魔法は大の苦手ですよ。」

話を聞いていた紅葉が肯定する。
そして、紅葉は苦笑いを浮かべて、

「魔力だけは凄いのでなんとかできる感じですが。」
「それでも、すごいよ。」

燐は首をふる。
燐には使えない属性の魔法がある。

「!!…………」

その時、燐は知っている魔力を感知した。
目を見開いて観客席から上の方向をバッと見る。

「どうした?」

それに、気づいた堺人は燐に声をかける。

燐の異変に気づいたのは堺人だけでなく、アーミャ、カイン、紅葉も気づいていた。

「…なんでもない。勘違い。」

燐は何も言わず前をまた向いた。

(久しぶりだね。)

みんなが前を向いたとき、燐は少し笑っていた。
それをアーミャは見逃さなかった。

(あーなるほど、陰たちかー)

燐の笑の理由を考えてアーミャも誰にも分からないよう笑った。