「…燐はやっぱり物知りだな。」
カインは息を飲む。
「私の家は影国があった所出身。話ぐらい聞くよ普通。それに親がよく弓を使ってたし。」
燐の家、鈴鐘家は影国があった黒森都市出身だ。
その事もあってグリムズにいてもそれは続いている。
「なるほどなー」
カインは納得するが、
「だけど、どうちがうんだ?」
燐の言う違う形と進展もよく分からない。
「クーイ国ではクロスボウが中心でしょ?」
「ああ。昔は農民も動員していたからな、長い射程距離と高い的中率のクロスボウは丁度良かったしな。」
燐の問いに難なく答えるカイン。
「けど、影国では少数戦闘で農民が動員することも無かったし、戦闘員も全員弓の鍛練を行っていたしね。それに連射もできないし。」
「なるほど。」
「そして、弓の長さを長大して、威力を増すことにした。」
燐はクーイ国と影国との事情も含めて説明した。
つまり、
弓の鍛練を行っていた戦闘員はクロスボウが必要ない。
しかも、連射ができないのなら弓のほうが時間を短縮できる。
これがクーイ国と違う形。
弓の長さを長大にし、威力を増す方向に進化した。
これが他の国とは違う進展だ。