才華龍学院 Ⅰ


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会場には、続々と選手と観客が集まってきた。

そして、堺人は2階の階段から最奥にある1つの部屋の前にいた。

そこは貴族が使う貴賓室。

     コン コン

「入れ。」
「失礼します。」

部屋に入る許可をもらい戸をあける。

なかは、広くないものの気品であり奥にフィールドがガラス越しに見える。

堺人は学院長が頭を縦に頷くのを見て学院長の向の椅子に座る。

「珍しいですね。お祖父様がお呼びになるとは。」
「よいではないか。最近は暇をもて余しておるわ。」

得意気にいう学院長。

それは学院長ではなく堺人の祖父として、月島 風座真 としての言葉だ。

「それで、どうじゃ?」
「どう…とは」

風座真の言葉に首を傾ける堺人。

「どうもなにも、燐のことじゃ。」
「あっ……えーと。」

いきなり燐のことを言われほんの少し頬を赤くする堺人。

「やはりのう。燐に会う前はいつも生気のない眼をしておった。
だが、燐に会ってからいつも楽しそうに生気がちゃんとある眼をしておる。」

学院では学院長としての仕事で堺人と会わないが影で見守っていた風座真は少しばかり嬉しいと表情を見せる。

「そうですね。燐と一緒にいると、楽しいし落ち着くんです。それに信頼できる。」

堺人も燐を思い出しながら苦笑いしながら言う。

「じゃろうのう。燐と最初に会ったときも生気のない眼をしておったし。
ま、似た者同士じゃな。……だが燐はまだ堺人を信用しているに過ぎないだろうのう。」

堺人もそれにうなずく。
   ...... .......
燐は信用しているであって信頼していない。

まだ、信じきれないのだ。

これもまた、グリムズで生きていたがためでもあった。

燐が信頼できる人は、アーミャ、扇、夕凪、そして、扇の部隊の主要メンバーの5人だけであろう。

「…確かに信頼されてはいません。けど信用できるまでいったので、信頼できるまで頑張るつもりです。」

しかし、堺人は諦めない。
燐に信頼してもらえるまで。