「でもさ、あいつって」
『とある男子に、ゾッコンらしいぜ?』
耳元で、ハルがそう言う。
「コクったやつ、みーんな
『大好きな人がいるから』ってフラれてるらしいよ?」
だから、そいつのこと以外は眼中にないだろ
って、ハルが付け加える。
…好きな人、いるんだ
俺はそのことへのショックと衝撃の大きさに項垂れる。
ハルがそんな俺を見て、ヤバいと思ったのか慰めるような言葉をかけるけど
そんなの気にしてらんねぇ
…つうかぶっちゃけ
ハルに慰められるとか、気持ちわりぃ
本人に言ったら、殴られかけた。
ハル、本気で殴ったら俺今死んじゃうからね。
「…それにしても、マヒロもピュアだよなぁ」
マヒロって言うのは、俺の名前。
女子っぽいのが悩み。
「…俺が、ピュア?」

