あるとき、思った。 このままじゃ、だめなんじゃないかって。 話しかけられるだけじゃだめなんだって。 ……俺から、話しかけることもしなきゃいけないんじゃないかって。 「おはよう」 朝、下駄箱でキミを見かけた。 咄嗟にかけた言葉はそれ。 キミは一瞬、驚いたように俺を見上げて。 次に、いつものようにまた笑うんだ。 笑って 「おはよう」 って、いってくれたんだ。