やっと言えたその言葉は 思ったよりもすんなりと口から出てきて 言い終えた時は、なんだか胸がスッキリした。 俺が、そっと微笑むと 藤沢はやっと俺のことを見てくれた。 「―やっと、目、合わせてくれたな」 藤沢は、目を見開いたまま固まっていて そして 「なんで、そんなこというの」 震える声が、聞こえた。 その声はもちろん藤沢なわけだけど。 「え………」 「なっ、…で、いまさら……」 藤沢の頬を伝っていく、大粒の涙で 俺の心は取り乱す。