何も言わないで病室を出る。 それでも義母は何も言わない。 こんなことを毎日学校帰りに続けていた。 休みの日はたまに義父さんが顔を出しに行くらしい。 ―――そんな時。 来る時が来た。 金曜日で、学校で終礼をしている時だった。 「綾ちゃん! おかあさんの容体が悪化したそうよ!」 普段学校で目にすることのない女の先生に、廊下に来るように呼び出され、慌てるように告げられる。 「今すぐ病院に行ってらっしゃい!」