【短編集】とびっきり、甘いのを。





「つーか、美味そうなの食ってるじゃん」




そう言って私のアイスキャンディーをひとくち。



「ちょ、何勝手に食べて…」

「ん、うま」




ぺろ、と唇を舐めるその仕草にドキドキして。


間接キスなんて意識してる自分が恥ずかしくて。


こんな格好で廣祐の隣に居たくないけど、でも、もう少し一緒にいたい。


……なんて、勇気のない私はそんなこと言えないけど。





「なあ、急いでなかったらちょっと話さねぇ?」





その提案に勢いよく首を縦に振って、コンビニ横のフェンスに並んで座った。