【短編集】とびっきり、甘いのを。




欲しいのは甘いキャンディじゃない。

大人な恭ちゃんの、心なのに。





「子どもだから、不安なの…」



ポロポロと止まらない涙。

黙って話を聞いてくれる恭ちゃん。



「連絡が減ったのも、女の人といるのも、なかなか会えないのも、しょうがないって分かってるの……


でも、恭ちゃんは大人だから!


…私のこともう好きじゃないのかなって、不安だったの」






もうどうにでもなれ、なんて思っていたことを全部吐き出す。


瞬間、苦しいくらいに恭ちゃんの腕に抱きしめられる。




「恭ちゃ……」



「…ばーか、好きに決まってんだろ」



「だって…」