【短編集】とびっきり、甘いのを。






「先輩」



声が出ない私に変わって、一歩前に出た拓巳。



「拓巳…」


「なんで女の人家に連れてきてるんですか」


「…渡さなきゃいけない資料うちに忘れたから、取りにきてくれただけだよ」





なんだか少し不機嫌そうな恭ちゃん。

拓巳の方が不機嫌だけれど。




「そんな言い訳通用すると思ってんすか?」



「本当だって」