【短編集】とびっきり、甘いのを。




「よし、そろそろ行くか」




立ち上がった拓巳に時計を見ると、6時。



「どこ行くの…?」

「恭ちゃん先輩の家の前で待つんだよ」



ええっ…

待ち伏せってそれはどうしたって…



「重くない…?」


「それくらいで嫌になる男なら別れろ」


「そんなことは…」





拓巳に強引に手を引かれて、駆け足で後を追いかける。


そしてたどり着いたのは、高層マンション。