だけど、そのくせ、私にはこんなことしか言わない。 知ってるよ。 他の女の子には、ちゃんと優しいの。 知ってるよ。 他の子とは、私の知らない大人っぽい表情で喋るの。 私には、イタズラな笑顔しか見せてくれないくせに。 …なんて、まあ、その笑顔が好きなんだけど。 「別に陽介に可愛いと思われなくて良いです〜」 「心配しなくても思わねーよ」 「っ、本当嫌い、どっか行け!」 陽介の背中をぐいぐい押して、追い払う。