さり気なく私の方に傾けてくれる傘に、恥ずかしくて、照れくさくて、いつもみたいに話せなくて。 「……さっきの、嘘だから」 「…え?」 「可愛くないって言ったの、嘘…だから」 「っ……」 なにそれ、なにそれ。 もう、本当に。 「…バカ」 「はぁ!? 人がせっかく……」 「……嬉しい」 そのひと言に、また赤くなる陽介の顔。 きっと、私も。